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二十四節気「夏至」(げし)

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本日6月21日は「夏至」(げし)です。
「夏至」は一年で太陽が
最も空高いところまで昇り、
一年の中で昼の時間が最も長くなる日です。
 
 

『暦便覧』
(こよみびんらん)

今から234年前の天明7(1787)年に
太 玄斎(たい げんさい)が著した
暦の解説書『暦便覧』には、
「陽熱至極しまた、
 日の長きのいたりなるを以て也」
(ようねつしごくし、また、
 ひのながきのいたりたるをもってなり)とあり、
太陽の力が極みに達し、1年で最も昼が長く、
日差しの暑さも厳しい時期であることが
示されています。
 

夏至とは?

一年で最も昼の長い日
「夏至」とは、二十四節気の一つであり、
1年の中で昼間の時間が最も長く
夜が最も短い日のことを言います。
 
昼が長くなるのは、
地球の「公転」と「自転」による影響になります。
「夏至」の日は、北半球を
太陽が真上から照らすため、昼が長くなり、
冬至」の日は、太陽が斜めから照すため、
夜が長くなります。
 
尤も、昼の時間が長いというのは、
北半球だけでの話で、
南半球では最も昼の時間が短い日になります。
つまり、北半球とは逆の日照時間になります。
 
夏至の日照時間
 
「夏至」の日は、
太陽が1年で最も高い位置に来て、
昼間が一番長い日になります。
ですが同じ日本でも、緯度によって
その日照時間は微妙に変わってきます。
 
 
例えば日本最北端の北緯45度の「稚内」は、
日の出時間は3:45頃、日の入り時間は19:25頃で
日照時間は約15時間40分です。
一方北緯36度の「東京」では、
日の出時間は4:26頃、日の入り時間は19:00頃で
日照時間は約14時間34分になります。
「稚内」と「東京」では、
ほぼ1時間も日照時間が違います。
 
更に沖縄県の那覇では、
日の出時間は5:05頃、日の入り時間は18:53で、
日照時間は約13時間48分ですから、
「稚内」とは約2時間、
「東京」とは約50分も違います。
 
 
なぜ緯度により日照時間が異なるのかと言うと、
「夏至」の時の地球は、
北半球が太陽の方に23.4度傾いているため、
それだけ北半球は、
太陽の光を長く浴びられるためです。
ただ日本は「夏至」の頃は梅雨期であり、
曇りや雨の事が多いため、
昼間の長さを実感することは少ないです。
例えば東京の日照時間は約14時間34分ですが、
曇りや雨の事が多いため、
実際の日照時間は平年で3~4時間程度と
なっています。
 
夏至の日付
ところで「夏至」がいつになるのかについては
天文学的に決まり、
毎年6月21日か22日になります。
そしてこの日を境に、
だんだんと日が短くなっていきます。
 
「夏至」は「立夏」と「立秋」の
ちょうど真ん中に当たります。
「夏に至る」と書くように、
この頃から夏の盛りに向かっていきます。
 
日の出が最も早いのは
「夏至」ではない⁈

「夏至」は、あくまでも日の出から日の入り
までの昼間の長さが最も長い日のことで、
一年の中で日の出の時間が最も早いのは、
「夏至」の一週間程前になります。
日の入りの時間が最も遅くなるのは、
「夏至」の一週間程後になります。
 
これは地球が太陽の周りを回る
「公転面」に対して
自転の軸が傾いていることや、
太陽のまわりを回る
「公転軌道」が真円形でないこと
などが理由です。
 
日の出が最も早い日と
日の入りが最も遅い日は、
南へ行くほど差が大きくなり、
沖縄付近では10日程ズレますが、
北海道付近では5日程しかズレません。
ただ一日で数秒の差なので、
実際に変化を感じることは難しそうです。
 

夏至祭

太陽の生命力を得ようと、
北半球では「夏至祭」を行うところが
たくさんあります。
特に北欧では盛んに行われていて、
最も重要な年間行事の一つとされています。
 
スウェーデンの夏至祭
「ミッドサマー」
スウェーデンでは、夏至の頃は「白夜」を迎え、
6月19日から26日の間で、
夏至に最も近い土曜日「ミッドサマー」と、
その前日「ミッドサマーイブ」の
2日間が祝日になり、盛大にお祝いをします。
 
二見興玉神社」の
夏至祭

 
日本では田植えの時期という理由などから、
大きなお祭りはあまり行われていませんが、
三重県伊勢市にある
二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)
夏至祭」が有名です。
 
昔から「お伊勢参りは二見から」と言われ、
太陽神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)
御祭神とする「伊勢神宮」に参拝の前に、
「二見興玉神社」のある「二見浦」で
禊を行うのが習わしだったようです。
現在でも、まず神社に参拝してお祓いを
受けてから神宮へ向かう参拝者も多いです。
 
この「二見浦」(ふたみがうら) は、
大小の岩が仲良く並ぶ「夫婦岩」(めいといわ)
知られています。
この「夫婦岩」の間から昇る朝日を拝めるのは
「夏至」を中心に5月~7月の3ヶ月間のみ。
 
「夏至祭」は早朝3時半より祭典が始まり、
白装束に身を包んだ300人近くの善男善女が、
天照大御神をお迎えるために、
祝詞を唱え気合いを入れつつ海に入り、
朝日が昇ろうとする「夫婦岩」に向けて歩き、
朝日に向かって国歌を合唱をするそうです。
 

夏至に食べるといい「食べ物」

 
古くから「夏至」は太陽の力が最大になると
考えられてきたため、この時期には、
太陽の恵みに感謝し豊作祈願の食べ物を食べる
習わしが各地に見られます。
また、麦の収穫を終える頃なので、
麦を使った料理を食べる風習があります。
 

夏越の祓

「夏越の祓」(なごしのはらえ)は、
1年の半分に当たる6月30日に、
「人形流し」(ひとがたながし)をしたり、
「茅の輪」を潜って半年の厄を払い、
残りの半年の無病息災を祈願します。

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夏越の祓の行事食
京都ではこの行事に合わせて、
「水無月」(みなづき)という和菓子を食べる
風習があります。
また近年は「夏越ごはん」という
新しい行事食が広がりつつあります。
 
千日詣り ほおづき縁日

現在、日本各所で行われる「ほおずき市」の
発祥となった「千日詣り ほおづき縁日」が
東京芝の「愛宕神社」で行われます。

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雑節「半夏生」
(はんげしょう)

 

「夏至」から数えて11日目に当たる日で、
令和6(2024)は7月1日になります。
 
昔から「半夏半作」と言い、
「田植えは夏至の後、半夏生の前までに
 終わらせる」と言われてきました。
半夏生」よりも後になると、
秋の収穫量が減ってしまうためです。
 
 
そして「半夏生」になると、
田植えで疲れた体を休め、
栄養価のある蛸(タコ)などを食べて、
体力の回復をしました。

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夏至と梅雨

北海道を除く日本の本土では、
「夏至」の前後のおよそ20日ずつが
梅雨期間に当たり、
「夏至」以前の20日間「梅雨前期」は
雨量はさして多くはありませんが、
しとしとと長雨が続きます。
一方、「夏至」以後20日間「梅雨後期」は、
集中豪雨型の大雨が断続的に起こりますので、
注意が必要です。
 

二十四節気「夏至」の七十二候

初候「乃東枯」
(なつかれくさかるる)
「乃東」(なつかれ)という古名を持つ
「ウツボグサ」が枯れていく頃です。

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次候「菖蒲華」
(あやめはなさく)
「菖蒲」の花が咲く頃という意味です。
「菖蒲」は、「あやめ」とも「しょうぶ」とも読め、
梅雨の到来を告げる花として親しまれています。

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末候「半夏生」
(はんげしょうず)
「半夏」が生える頃です。
「半夏」とは、別名「カラスビシャク」とも
呼ばれています。

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