今日は「夏至」(げし)。
日の出から日の入りまでの時間が最も長い日です。
昼の長さが短い「冬至」と昼の長さを比べると、
北海道の根室で約6時間半、東京では約4時間40分も長くなります。
もっとも「昼の時間が長い」というのは北半球での話で、
南半球では最も昼の時間が短い日になります。
夏至がいつになるのかについては天文学的に決まり、
毎年、6月21日か22日です。
この日を境に、だんだんと日が短くなっていきます。
昼が長いとは言っても、日本は梅雨のまっただ中で、
暑さのピークは1カ月程先になります。
沖縄では、 この頃に吹く季節風を「夏至南風」と言って、
この風が吹くと、梅雨が明けて本格的な夏の訪れるのだそうです。
低温に強い稲が出来るまでは、
田植えの時期は今より遅く、
田植えは「夏至の頃、半夏生まで」と言われて、
梅雨の時期に行うもので、
この頃は、農繁期でとても忙しい時期でもありました。
そして、田植えが終わる「半夏生」(はんげしょう)の頃には、
ちょうど収穫したばかりの麦を使って
「半夏生餅」(はんげしょうもち)を作り、
田んぼの四隅に供えてから食べる風習があったそうです。
関東地方や奈良県、和歌山県などには、
この「半夏生餅」を食べる習慣が伝わっています。
また同じ理由で小麦を使ったうどんを食べるのは、
うどん県(香川県)。
一方関西地方では、
豊作を祈って、半夏生にタコを食べる習慣があります。
作物がタコの足のように、
大地にしっかり根を張るようにとの願いが込められているのだとか。
イチジクの出荷量・販売額ともに全国1位を誇る愛知には、
その不老長寿の果物と言われるイチジクを
田楽踊りに由来する味噌田楽で食べるところもあるそうです。
太陽の生命力を得ようと、世界各地では「夏至祭」が行われます。
日本で有名なのは、
ここでは、夏至の時期だけ夫婦岩の間から朝日が昇ります。
これは夏至の日の前後2ヶ月しか見られない特別な光景です。
ここの海中には「興玉神石」(沖の石)があり、
昔からその沖の石は、 常世の国から神が寄りつく聖なる所で、
「夫婦岩」はその鳥居と見なされてきました。
そして、毎年「夏至祭」を行い、
白装束に身を包んだ300人近くの善男善女が、
天照大神を迎えるために、
祝詞を唱え気合いを入れつつ海に入り、
朝日が昇ろうとする夫婦岩に向けて歩いていきます。
そして朝日に向かって国歌を合唱をするそうです。