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二十四節気「冬至」

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令和5(2023)年の「冬至」は12月22日です。
北半球では、一年の間で昼が最も短く、
夜が最も長くなる日になります。
 
 

『暦便覧』(こよみびんらん)

江戸時代に発行された『暦便覧』には、
次の様に記されています。
 
「日南の限りを行て、
 日の短きの至りなれば也」
 
この日、北半球においては、
太陽は最も南寄りを通るため、
南中高度は最も低くなり、
その結果、昼は最短、夜は最長となります。
 

「冬至」とは

「冬至」とは、北半球において
昼の時間が最も短い日のことです。
(反対に南半球では昼の時間が最も長い日になります)
「夏至」の日と比べると、
北海道の根室で約6時間半、
東京で約4時間40分もの差があるそうです。
 
 
「冬至」は冬の真ん中に当たるため、
寒さが厳しくなるのは
この日を過ぎてからになります。
そのため植物が枯れ、動物は冬眠するため、
食料が手に入りにくくなります。
更に日照時間が短いため、
生命の源である「太陽の恵み」を
享受しにくいことから、
昔は「冬至」の日は「死に一番近い日」と言われ、
「冬至」に対する不安は大きかったようです。
 
現在でもその厄を払うために、
小豆の入った「冬至粥」(とうじがゆ)を食べたり、
夏の太陽が育てた「南瓜」を食べて、
体を温めて、生命力を養います。
「冬至酒」を飲むのも同様の理由です。
その香りに邪を祓う霊力があると信じられて
いる「柚子のお風呂」に入るなどして
無病息災を願う風習が続いています。
する。
 
短日(たんじつ)
冬の一日があっという間に暮れてしまうことを
惜しんで「短日」(たんじつ)と言います。
 
寒影(かんえい)
「冬至」は一年で一番影が長い日です。
寒々とした影法師や物の影を
「寒影」(かんえい)と言います。
寒さが厳しい頃に、地面に映る自分の影法師は
如何にも「寒影」という感じもしますが、
冬の陽だまりの中を、一緒に歩いてくれる友と
捉えることも出来ます。
 
一陽来復
「一陽来復」(いちようらいふく)とは、
陰暦10月または「冬至」の別名です。
「冬が終わり春が来ること」、
「悪いことが続いた後、
 ようやく物事がよい方に向かうこと」という
意味があります。
 
「冬至」は最も太陽が衰える日であると同時に、
衰えた太陽が復活に転じる日でもあることから、
新たな一年の誕生を湛える様々な行事が
世界各地にあります。
 

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冬至粥(小豆粥)

 
「冬至粥」(とうじがゆ)とは、
小豆を入れたお粥のことです。
小豆は「鬼毒を殺し、痛みを止める」と
記載されているほど、
昔からその効果効能が知られていました。
また、小豆の「赤」が
太陽を意味する魔除けの色なので、
厄祓いになるとも言われています。
 

冬至南瓜

 
「かぼちゃ」は栄養豊富で
長期保存がきくことから、
冬の栄養補給になります。
冬至に「かぼちゃ」を食べると
風邪や中風(脳血管疾患)にならないと
言われています。
 

柚子湯

冬至の日に「柚子湯」に入ると、
風邪を引かないと言われています。
これは、当時を過ぎると寒さが厳しくなるので
元気に冬を乗り越えられるようにとの
願いが込められています。
実際「柚子湯」には、
血行を促進して冷え性を緩和したり、
体を温めて風邪を予防したり、
果皮に含まれるクエン酸やビタミンCによる
美肌効果があります。
芳香によるリラックス効果もありますから、
元気に冬を越すためにも大いに役立ちます。
 

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七十二候

「冬至」は雪に大地が覆われ、
草木も枯れていく時期ですが、
鹿の角が生え変わる時期であったり、
雪の下では麦や、靭草が芽を出す時期でも
あります。
 
初侯「乃東生」
(なつかれくさしょうず)

雪が積もり、草木が枯れていく中で、
「夏枯草」(なつかれくさ)と呼ばれる
「靭草」(うつぼぐさ)が芽を出し始める時期です。
次侯「麋の角解つる」
(しかのつのおつる)

鹿が角を落として生え変わる時期。

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末侯「雪下麦出ずる」
(ゆきわたりてむぎいずる/せつかむぎいずる)

雪の下で麦が目を出す時期です。

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