二十四節気も「立夏」になりました。
この日から暦の上では夏となります。
『暦便覧』
(こよみびんらん)
今から234年前の天明7(1787)年に
太 玄斎(たい げんさい)が著した
暦の解説書『暦便覧』には、
「立夏」(りっか)は「夏立つがゆえなり」と
あります。
「立」には「季節が始まる」という意味があり、
「夏の兆しが見え始める頃」「夏の始まり」という意味です。
「立夏」とは
「立夏」は、二十四節気の1つで、
昼と夜の長さが同じ日である「春分」と
1年で最も昼の長い日である「夏至」の
丁度中間に当たります。
暦の上では夏の始まり。
この日から「立秋」の前日までが
「夏季」になります。
この頃は、気持ちの良い風が吹き、
晴れの日が続くため、
旅行・レジャーなど外に出ることが
楽しみな時期でもあります。
今朝の夏(けさのなつ)
「立夏」の日の朝のことを
「今朝の夏」(けさのなつ)と言います。
「今日から夏!」
そんな気持ちを強調して言う場合に
使われてきました。
この「今朝の」という言い方は、
別に「夏」に限ったことではありません。
立秋の朝は「今朝の秋」、
立冬の朝は「今朝の冬」と言います。
但し春だけは元日の朝を「今朝の春」と
言います。
愛鳥週間
毎年5月10日~16日は愛鳥週間です。
昭和22(1947)年に鳥類保護の推進母体として
「日本鳥類保護連盟」が結成された際に、
国民の愛鳥保護思想を高めるために、
米国の鳥類学者オースチン博士の提唱により、
4月10日を「バードデー」が定められ、
昭和25(1950)年)からは
5月10日から16日までの1週間が
「愛鳥週間」となりました。
端午の節句(たんごのせっく)
「五節句」のうちの一つで、
「菖蒲の節句」とも言います。
日本では古来、田植え前のこの日、
菖蒲やヨモギを軒に吊るして厄を祓い、
「早乙女」(さおとめ)と呼ばれる若い娘達は
「女の家」に籠り、身を清める
「五月忌み」という習わしがありました。
武家社会では、
「菖蒲」を「尚武」という言葉にかけて、
武勇と立身出世を祈るようになり、
江戸時代以降は男子の節句として
武者人形を飾ったり、鯉のぼりを立てるように
なりました。
今は、国民の祝日として
「こどもの日」となっています。
お田植え神事
「立夏」は旧暦では6月に当たるため、
昔から「梅雨」入り前のこの時季に
豊作を願う祭りが多く行われていて、
今でも全国各地で「お田植え神事」が
行われています。
田植えの神様は男性なので、
女性が主役の祭りが多いのが特徴です。
昔、稲を田んぼに植え付けるのは
女性の仕事でした。
田植えは大変な作業でしたが、
女性達は少しでも楽しく作業をしようと、
歌を歌いながら行うようになりました。
この風習と、豊作を願う神事が結びついて、
踊りや舞を奉納する
「御田植神事」が始まったと言われています。
二十四節気「立夏」の七十二候
初候「蛙始鳴」
(かわずはじめてなく)
おたまじゃくしがカエルになり、
そこかしこの田んぼや畔、水たまりで
鳴き始める季節です。
日本人は、カエルは降雨を予報し、
水田の害虫を食べてくれる
田の神の使いとして信仰し、
その鳴き声を愛しました。
次候「蚯蚓出」
(みみずいずる)
冬眠していた蚯蚓(みみず)が
ニョロニョロと大地に這い出して来る頃です。
ミミズは土を食べ、消化し、
糞として排出することで、
土を耕し肥沃にしてくれます。
末候「竹笋生」
(たけのこしょうず)
タケノコがずんずんと伸びてくる頃です。
タケノコの目覚ましい生長は、
生命力溢れた健やかさそのものです。
現在、日本で食用にされる筍の代表は、
Chinaから渡来した「孟宗竹」(もうそうだけ)ですが、
孟宗竹の旬は3~4月ですので、
七十二候のタケノコは、5~6月に旬を迎える
「真竹」(まだけ)でしょうか。