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コツコツと

七十二候「霜止出苗」

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「しもやみてなえいづる」と読みます。
 
暖かくなるとともに、霜が降りなくなり、
「種籾」(たねもみ)が芽吹き、スクスク青々と伸びていく頃です。
そろそろ田植えの準備が始まり、
忙しくも活気に満ちた農家の様子が目に浮かぶようです。
 

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古来より、「米」は日本人にとって非常に大切な穀物でした。
今でも様々な儀式や祭礼に「米」が登場します。
「米」は、神様から贈られたものであるとか、
ご先祖様が守ってくれたものという思いが
「こめ」られたものと捉えてきたため、
「こめ」と呼ばれるようになったと言われてきました。
 
 
「米」という字は
「八十八」という文字から作られたと言われています。
お米が出来るまでには
「88回」もの手間が掛かるという意味です。
昔に比べて今は便利な機械もあるので、
米作りも早く楽に出来るようになりましたが、
それでも、イネを育ててお米を収穫するまでには、
沢山の手間が掛かります。
 
まず、「塩水選」(えんすいせん)
実の詰まった「籾」(もみ)だけを種にします。
「塩水選」とは、水稲苗を育てるためにより充実した元気な籾種を選別する作業です。状態の良い籾だけを選んで育てることで、発芽が揃い丈夫な苗が出来ます。 方法は名前の通り、一定の濃度に設定した塩水(JA大阪北部では硫安を使用)に籾種を入れ、浮いた籾種を掬い取り、沈んだ状態の籾種と分けます。浮いてくる籾種は、実の入りが悪かったり病気などに感染している危険性があるので取り除きます。実が詰まった元気な籾種だけを使用して苗を育て、水稲苗を待つ農家さんへ届けます。
 
次に「苗づくり」。
苗箱の土に籾を蒔いて、苗を成長させます。
 
一方田んぼでは、
固まった土を掘り起こす「田起こし」を始めます。
トラクターで肥料を撒きながら土をかき混ぜていきます。
土を起こして乾かすと、土が空気をたくさん含むようになるため、
稲を植えた時に根の成長が促進されます。
 
そして、田んぼの水が漏れないように「畔塗り」(あぜぬり)を行います。
田んぼは「畦」と呼ばれる土を盛り上げた仕切りで囲まれていて、
水が漏れないようになっています。
ところが冬を越した「畦」は、
崩れていたり、蛇やネズミなどが穴を空けてしまっていて、
このままだと田んぼに水を張った時に漏れやすくなってしまいます。
水が漏れると、水の管理が困難になるだけでなく、
除草剤や肥料の効果も低下しまいます。
そのためトラクターに畦塗機を装着して
「畔」に土を塗りつけて割れ目や穴を塞ぐ「畦塗り」を行います。
 
 
水を入れたら次は「代かき」です。
田んぼに水を引き込み、
トラクターで細かく砕いた土と水を混ぜ合わせ泥を作ります。
「代かき」をすると
泥が細かい粒子となって、土の隙間を埋め、水漏れを防ぎます。
田んぼに水を貯えるには「代かき」は欠かせません。
 
そしていよいよ「田植え」が始まります。
田植えの時期は地域によって異なりますが、
一般的に本州では5〜6月に田植えが行われています。
現在では、田植機を使って等間隔で植えていきますが、
昔は手で1つ1つ苗を植えていく重労働でした。
苗の列や株間の距離を整えて植える
「正条植え」(せいじょううえ)が取り入れられたのは、明治30年代。
それまでは人による「乱雑植え」でした。
「正条植え」が取り入れられるようになって、
稲にムラなく日が当たり、風通しも良くなったことから、
除草作業の能率が上がり、収穫量が増えました。
 
そして秋に収穫した米は、
乾燥させ、精米して、私達の元へ届けられます。
 

 

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