うまずたゆまず

コツコツと

七十二候「霜止出苗」

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「しもやみてなえいづる」
と読みます。
「霜が終り稲の苗が生長する」という意味で、
『暦便覧』には、
「春雨降りて百穀を生化すればなり」と
記されています。
 
暖かくなるとともに、
霜が下りることがなくなり、
「種籾」(たねもみ)が芽吹き、
スクスク青々と伸びていく頃です。
 
早い所では、田植えが始まり、
忙しくも活気に満ちた農家の様子が
目に浮かぶようです。
 

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稲は「春のお彼岸」から「八十八夜」までが
種蒔きの時期になります。
 

 
稲の種のことを「種籾」(たねもみ)と言います。
「種籾」(たねもみ)は直接田んぼに蒔かず、
「苗代」(なわしろ)という
田んぼの隅っこの水の入口の近くに作った所に
撒いて育てます。
 

 
もっとも近年では、
田植えに使う苗は農協などから購入するか、
育苗器で育てることがほとんどですが。
 

昔から農家では「苗半作」(なえはんさく)
ということわざがあります。
「苗代半作」(なわしろはんさく)とも言います。
「苗の出来によって作柄の半分が決まる」
という意味です。
苗を育て上げるまでが
とても重要な工程であることを示す言葉です。
約2週間から4週間程かけて
本葉が4、5枚、草丈が15㎝程に生長します。
 

 
田植えをするまでに生長した苗を
早苗さなえ」「若苗わかなえ」「玉苗たまなえ」などと言います。
「玉苗」の「玉」は美称です。
元々「玉」は丸い形の小さな石のことで、
宝石や真珠などを指しました。
そこから神聖なもの、美しいものを称える
意味でも使われるようになったということ
です。
実は「玉」と「魂」とは同語源だとも
言われます。
私達の命を支えてくれる神聖な「稲」。
これから育てていく「稲」の「苗」は、
まだ弱々しいけれど、
限りない希望と可能性に満ちています。
 

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