うまずたゆまず

コツコツと

七十二候

七十二候「玄鳥至」

「つばめきたる」 と読みます。 冬の間を南の島で過ごした 夏鳥の燕(つばめ)が数千キロもの旅をして、 日本にやってくる頃です。 冬を暖かい東南アジアで過ごしたツバメ達が、 繁殖の為、春になるとはるばる海を渡って 日本にやってきます。 ツバメが飛来し…

七十二候「雷乃発声」

「かみなりすなわちこえをはっす」 と読みます。 春の訪れとともに、恵みの雨を呼ぶ雷が 鳴り始める頃です。 「秋分」の初候「雷乃収声」と 対になっています。 www.linderabell.com 春雷(しゅんらい) 春に聞く雷のことで、 「春の雷」(はるのらい)とも言い…

七十二候「桜始開」

「さくらはじめてひらく」 と読みます。 日本の春の花代表と言える 「桜」(さくら)が咲き始める頃です。 昨年の令和5(2023)年は、 観測史上最も早い3月14日に 東京の靖国神社の桜が開花したと 発表されました。 tenki.jp 今年、令和6(2024)年の桜の開花は、 全…

七十二候「雀始巣」

「すずめはじめてすくう」 と読みます。 田畑や人家のすぐそばに棲息する 「雀」は日本人にとって最も身近な存在で、 古くは『古事記』や『日本書紀』に登場し、 その頃から今と変わらず、 「雀」と漢字で書かれています。 「舌切り雀」などの昔話や、童謡、俳…

七十二候「菜虫化蝶」

「なむしちょうとなる」 と読みます。 「菜虫」が蛹(さなぎ)から美しい蝶になり、 春の柔らかな光を全身に受けて、 春の野を自由に飛び回ります。 いよいよ本格的な春の到来です。 「菜虫」とは、大根や蕪などの アブラナ科の菜っ葉を食べる 「モンシロチョ…

七十二候「桃始笑」

「ももはじめてさく」 と読みます。 読んで字のごとく、桃の蕾がほころび、 花が咲き始める頃となりました。 昔は花が咲くことを「笑う」と表現しました。 桃は枝から直接くっつくように、 溢れんばかりに密集して咲くのが特徴です。 上品な白から淡いピンク、…

七十二候「蟄虫啓戸」

「すごもりのむしとをひらく」 と読みます。 春の日差しの温もりを感じて、 戸を啓いて外に顔を出すかのように、 土中で冬ごもりをしていた虫達を始め、 カエルやヘビ、トカゲなど、 様々な生き物が姿を見せてくれる頃です。 二十四節気「秋分」の 次候「蟄虫…

七十二候「草木萠動」

「そうもくめばえいずる」 と読みます。 草木が芽生え始める頃という意味です。 冬の間に蓄えていた生命の息吹が 外へ現れて出て来て、木の芽は綻び、 地面からは草の芽が一斉に顔を出します。 「萠動」とは草木が芽吹くことで、 物事の起こる兆候が現れるいう…

七十二候「霞始靆」

「かすみはじめてたなびく」 と読みます。 春の山野に春霞が横長に薄くたなびき始める頃と言われています。 「霞」(かすみ)は、遠くの景色が ぼやけていている現象を言います。 春になり気温が少しずつ上がり始めると、 大地が潤いを帯び、冬の乾燥していた…

七十二候「土脉潤起」

「つちのしょううるおいおこる」 と読みます。 冷たい雪が暖かい春の雨に変わり、 大地に潤いを与える頃。 寒さもゆるみ、眠っていた動物も目覚めます。 冬の間は空気が非常に乾燥しているので、 雨が降る確率も低くて土も乾きがちです。 春が近づいて来るにつ…

七十二候「魚上氷」

「うおこおりをいずる」 と読みます。 寒い冬の時期、凍った水の下で じっと春を待っていた魚達も、暖かさを感じて 元気よく氷の上に飛び跳ね来るという 意味です。 春先の氷はまだ割れないまでも、 温かい東風に薄くなり、 その下で魚達が動き始めているのが …

七十二候「黄鶯睍睆」

「うぐいすなく」と読みます。 「黄鶯」(こうおう)は、 スズメ目コウライウグイス科で 学名を「Oriolus chinensis」と言います。 一方「鶯」(うぐいす)は、スズメ目ヒタキ科で 学名を「Cettia diphone」と言いますから、 「黄鶯」(こうおう)と「鶯」(うぐいす)…

七十二候「東風解凍」

「はるかぜこおりをとく」 と読みます。 春の兆しとなる柔らかな風が東の方からが吹き、 冬間に張りつめた厚い氷を溶かし始める・・・ まさに春の訪れを表した候です。 「はるかぜ」と読んでいますが、 東の風と書いて「こち」と読み、 「東風」が吹くようにな…

七十二候「鶏始乳」

七十二候もとうとう最後、「鶏始乳」です。 「にわとりはじめてとやにつく」 と読みます。 春の気配を感じた鶏が 卵を産み始める頃となりました。 「乳」は「とやにつく」と読み、 ニワトリが産卵のために鳥屋に籠る という意味です。 「鳥屋に就く」(とやに…

七十二候「水沢腹堅」

「きわみずこおりつめる」 と読みます。 大気の冷えがまさに底となるこの時期、 池や沼の水面の氷は、溶けたり凍ったりを 繰り返しながら厚みを増していきます。 その年の最低気温が観測されるのも、 この頃が一番多く、 氷点下に達する地域も多く見られます。…

七十二候「欸冬華」

「ふきのはなさく」 と読みます。 「欸冬華」とは? 蕗の薹(ふきのとう) 蕗の薹の言い伝え 春を告げる爽やかな苦味 「ふき味噌」の作り方 「欸冬華」とは? 凍てついた地面から 蕗の花が咲き始める頃です。 地面には雪が積もり、 強い寒さが襲ってくる時期で…

七十二候「雉始雊」

「きじはじめてなく」 と読みます。 雉のオスがメスを求めて 鳴き始める頃となりました。 雉のメスは全体的に茶褐色をしていますが、 オスは濃い緑色の体で、 長く美麗な羽を持っています。 そして早春の繁殖期になると、 ハート型の赤い顔になり、 「ケーン、…

七十二候「水泉動」

「しみずあたたかをふくむ」 と読みます。 地中で凍っていた泉の氷が溶け始め、 水が少しずつ動き出す頃です。 寒さの厳しい「小寒」で、空気は冷たく、 地上のあらゆるものが凍りつき 寒々しいのですが、 目に見えない大地の下では陽気が生じ、 春に向けて少…

七十二候「芹乃栄」

「せりすなわちさかう」 と読みます。 芹が盛んに茂る頃となりました。 冷たい水辺で育つ芹は、 空気が澄み切るように冷えるこの時期に、 “競り合う”ように良く育ち、 1月から4月にかけて旬を迎えます。 「春の七草」の一つとしてもお馴染みの 「芹」は、昔…

七十二候「雪下出麦」

「ゆきわたりてむぎのびる」 と読みます。 降り積もった雪の下で、 秋に種を蒔いた麦の芽が顔を出す頃です。 「麦」は、小麦・大麦・ライ麦・燕麦の総称で、 いずれも中央アジアを中心とした 乾燥気候の土地を原産地とする イネ科草本です。 世界で最も多く栽培さ…

七十二候「麋角解」

「さわしかのつのおつる」 と読みます。 オス鹿の角が落ちる頃となりました。 メスの鹿は角が生えませんが、 オスの鹿は一年に一度、 角が根元から自然にポロっと取れて、 春にはまた新しい角が生え始めます。 「麋」(さわしか・び)とは、 「なれしか」という大…

七十二候「乃東生」

「なつかれくさしょうず」 と読みます。 夏至の初候の頃に枯れて、この時期に芽を出す訳ですね。 「乃東」(だいとう)とは、 「夏枯草」(かごそう、なつかれくさ)とか 「靫草」(うつぼぐさ)の古名です。 という訳で、「乃東生」は、 靭草(うつぼぐさ)が…

七十二候「鱖魚群」

「さけのうおむらがる」 と読みます。 鮭が群れをなして 川を遡上する季節となりました。 鮭は川の上流で生まれ、 雪解け水と一緒に川を下り、沖に出て、 一生の大半を海で過ごすそうです。 そして数年後、産卵のために群れをなして 再び自分が生まれた川に戻…

七十二候「熊蟄穴」

「くまあなにこもる」 と読みます。 熊を始め、動物達が冬籠りをする頃と なりました。 「蟄」(ちつ)は籠る(こもる)という意味で、 「熊蟄穴」(くまあなにこもる)とは、 寒く厳しい冬を乗り越えるべく、 冬眠のために熊が穴に籠る頃という意味です。 秋…

七十二侯「閉塞成冬」

「そらさむくふゆとなる」 と読みます。 七十二候が「大雪」の初候に変わり、 天の気が塞がり、 冬の空・空気となるという意味で、 本格的な冬が訪れる頃となりました。 この時期に入ると、 天気予報で「冬日」や「真冬日」という言葉が 聞かれるようになりま…

七十二候「橘始黄」

「たちばなはじめてきばむ」 と読みます。 橘の実が黄色く色づく頃です。 「橘」とは、日本に自生する日本固有の柑橘類 「大和橘」(やまとたちばな)のことですが、 古くは柑橘類を総称して「橘」と言っていました。 「橘」は冬でも青々とした常緑の葉を繁らせ、…

七十二候「朔風払葉」

「きたかぜこのはをはらう」 と読みます。 冷たい北風が木の葉を散らす頃となりました。 「朔風」とは、「北風」のことです。 「朔」という字は、元々「はじめ」とか 「元へ帰る」という意味でしたが、 十二支を方角に当てると、 「子」(ね) の方角は「北」とな…

七十二候「虹蔵不見」

「にじかくれてみえず」 と読みます。 「虹蔵不見」は、冬の日差しが弱まって、 虹が見られなくなる頃という意味です。 「虹蔵不見」の「蔵」には、 「物をしまっておく建物」という 意味が転じて、 「隠して表に現わさない」「潜む」という 意味があります。 …

七十二候「金盞香」

「きんせんかさく」 と読みます。 ここでいう「きんせんか」とは、 春に咲くキク科の「金盞花」ではなく、 ヒガンバナ科の「水仙」のことを 指しています。 その「水仙」の花が咲き、 芳しい香りを放つ頃となりました。 甘く漂う「水仙」の香りには、 心を落ち…

七十二候「地始凍」

「ちはじめてこおる」 と読みます。 冬の冷気の中で、大地が凍り始める頃です。 朝には霜が降りたり、水溜りには氷が張ったり、 場所によっては「霜柱」(しもばしら)が 立つようになります。 舗装された場所が多くなったため、 見る機会が少なくなりましたが…