『暦便覧』
今から234年前の天明7(1787)年に
太 玄斎(たい げんさい)が著した暦の解説書
『暦便覧』(こよみびんらん) には、
「初めて秋の気立つがゆへなれば也」
このように記されています。
「初めて秋の気配が現れてくる頃なので、
(「立秋」と言う)」という意味です。
「立秋」とは
「夏が全盛期を迎え、
秋の気配が徐々に立ち始める日」です。
「立春」からちょうど半年が経過し、
この日から「立冬」の前日までが
暦の上ではこの日から「秋」になります。
令和6(2024)年は8月7日から8月21日です。
この頃は一年で一番暑い時期になりますが、
「立秋」を過ぎ、「お盆」ともなれば、
夏とは違う涼しい風が吹き、
秋らしい雲が浮かび、夜には秋の虫が鳴き始め、
少しずつ秋を感じられるようになります。
残暑
立秋を過ぎてもなお残る暑さを
「残暑」(ざんしょ) と言います。
9月23日の「秋分」までの季節の挨拶状も
「暑中見舞い」から
「残暑見舞い」に替わります。
なお、「残暑見舞い」は
8月中に送るのが一般的とされていますが、
暑さが長引く年であれば9月に入っても
「残暑見舞い」を送ることが出来ると
言われています。
新涼
「新涼」(しんりょう) とは、
「立秋」を過ぎて、
旧暦のお盆の頃に吹く東風・北風は、
夏の暑さの中で感じられる
一時的な涼しさではなく、
甦るような新鮮な情感があり、
季節が変わったことを感じさせてくれます。
東風を「盆東風」(ぼんごち) 、
北風を「盆北風」(ぼんぎた) と言います。
月遅れの七夕
「七夕」(たなばた) は、
本来は旧暦7月7日の行事ですが、
明治の改暦以降は、
月遅れの8月7日に「七夕まつり」を
開催している地域が数多くあります。
新暦7月7日は大抵梅雨の時期に当たり、
なかなか星を見ることは出来ないため、
国立天文台では「伝統的七夕の日」を発表し、
「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」
というキャンペーンを展開しています。
山の日
8月11日は「山の日」です。
「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」
日として、平成26(2014)年に新設された
「国民の祝日」です。
また8月12日は、 「日本航空123便墜落事故」が
発生した日であり、
123便が墜落した場所の群馬県の御巣鷹山で
毎年この日に慰霊登山が行われています。
月遅れのお盆
東京都を中心とした一部地域では、
7月13日から16日の4日間に
「お盆(新盆・新のお盆・7月盆)」を行いますが、
全国的に見ると、ほとんどの地域では、
8月15日を中心に8月13日から8月16日を
「月遅れのお盆(旧盆・8月盆)」として、
お墓参りやお祭りが行われます。
沖縄県は旧暦通りに執り行う「旧暦盆」で、
令和6(2024)年は8月28日(水)から30日(金)です。