「立冬」(りっとう)とは、
冬に分類されている6つの節・中のうち、
最初に巡って来る、まさに「冬の始まり」です。
『暦便覧』(こよみびんらん)
「冬の気立ち初めて
いよいよ冷ゆれば也」
いよいよ冷ゆれば也」
冬の気配(気立ち)を感じ、
いよいよ寒くなって行くことを
意味しています。
「立冬」とは
「立冬」は「冬が立つ」と書くように、
冬の兆しが見え始める時期に当たります。
暦の上では、「立冬」から「立春」の前日までが
「冬」になります。
朝夕冷え込むようになり、
日中の陽射しも弱まって来て、
冬が近いことを感じさせる頃ですが、
本格的な厳しい冬の寒さが訪れるのは、
一般的には11月の下旬頃。
上旬はまだ暖かい「小春日和」もあります。
本格的な冬に向けた準備を始めましょう。
また風邪をひきやすくなる時期でもある他、
日照時間が短くなる晩秋から冬にかけては
悲しく憂鬱な気分になる
「冬季うつ(ウインター・ブルー)」の症状が
現れやすくもなります。
「ちょっと体調が悪いな」と思ったら、
無理をせず体を休め、
温かいものをいただきましょう。
今朝の冬(けさのふゆ)
「立冬」当日の朝のことを
「今朝の冬」(けさのふゆ)と言います。
この日から「立春」の前日(節分)までが、
暦の上での「冬」となります。
この頃になると朝はめっきり寒くなるため、
「今朝から冬に入ったのだ」という覚悟と、
これから来る厳しい寒さに備えようとする、
心地良い緊張感を漂わせる言葉です。
北日本では、里からもそろそろ
初雪の便りが届きます。
小春日和(こはるびより)
春先頃の暖かい日と間違えやすいのですが
晩秋から初冬にかけての
暖かく穏やかな晴天を
「小春日和」(こはるびより)と言います。
「小春」は旧暦10月の異称です。
新暦では11月頃のことで、
最大で10月23日頃~12月22日頃のようです。
この頃の気候と陽気が
春に似ているために、
「小春」と呼ばれるようになったそうです。
冬支度(ふゆじたく)
初雪が降る前に、
あるいは木枯らしが吹く前に
冬の準備を始めることを
「冬支度」(ふゆじたく)と言います。
冬の生活を快適かつ健康的に過ごすためにも、
「冬支度」は大切です。
寒くなってくると
動くのが億劫になりがちですから、
出来るだけ早めに始めておくとよいでしょう。
「酉の市」(とりのいち)
例年11月の「酉の日」に日本各地の鷲神社
(大鳥神社・大鷲神社・鷲神社=おおとりじんじゃ)で行われるお祭りです。
「大酉祭」「お酉様」とも呼ばれています。
縁起ものがたくさんついた「熊手」が名物で、
新年の開運招福、商売繁盛を願うお祭りであり、
初冬の訪れを感じる行事となっています。
「三の酉」のある年は火事に気をつけろと
言われています。
令和6(2024)年の「酉の市」は、
「一の酉」が11月5日・火曜日、
「二の酉」が11月17日・日曜日、
今年は「三の酉」があって
11月29日・金曜日となります。
亥の子の祝い
(いのこのいわい)
陰暦十月の初亥の日に、
新穀の餅を撒いて、
田の神に供える祝いの日です。
収穫祭的要素が強く、
主に西日本で行われています。
十日夜
(とうかんや)
旧暦10月10日(新暦十一月頃)の夜、
東日本(群馬・埼玉・山梨・長野県)で行われる
稲の収穫祭(刈上祭)で、
稲を育てた田の神に
餅 (刈上餅) や大根を供えて労をねぎらいます。
満月の夜に行う地方もあります。
西日本の亥の子に相当します。
七五三
(しちごさん)
「七五三」は、11月15日に
氏神様(地元の神社)にお参りし、
子供の健やかな成長と幸福を祈願する行事です。
三歳の男女の「髪置き」(かみおき)、
五歳男子の「袴着」(はかまぎ)、
七歳女子の「帯解き」(おびとき)のお祝いに
由来していると言われています。
明治時代に、三歳・五歳・七歳の三つの祝い事を
まとめて「七五三」と呼ぶようになり、
庶民の間にも広まりました。
七十二候
初候「山茶始開」
(つばきはじめてひらく)
山茶花(さざんかのはな)が咲き始める頃。
次候「地始凍」
(ちはじめてこおる)
大地が凍り始める頃。
末候「金盞香」
(きんせんかさく)
水仙が咲き、芳香を放つ頃。