「ちはじめてこおる」と読みます。
日ごとに寒さが増し、季節は本格的な冬を迎えます。
冬の冷気の中で、大地が凍り始める頃です。
朝には霜が降りたり、水たまりに氷が張ったり、
場所によっては「霜柱」が見られるようになります。
「霜」と「霜柱」は
どちらも氷ですが、発生の仕方に違いがあります。
「霜」は
冷たい地表物に触れた空気中の水蒸気が昇華して出来た氷です。
「霜柱」は地中の水分が凍って出来た氷です。
その氷が出来る時の水分補給が
地中の深い方から行われるために、
「霜柱」は下で成長し、
先に出来ている氷を上へ上へと押し上げるため、
柱のような氷となります。
ところで、
「霜柱」は土がある所ならどこでも発生するかというと
そうではありません。
湿気の多い柔軟な土質に生じます。
更に、「霜柱」が出来るためには、
- 地面近くの気温が0℃
- 下の地中の温度が0℃以上
- 土壌の含水率が30%以上
といった条件が揃った場合に発生しやすいそうです。
ところで、
「シモバシラ」というシソ科の植物があります。
山地の木陰に生え、高さ約60cm程になります。
秋に、茎の上部の葉の脇から穂を出して、
白い唇形の花を総状につけます。
冬には地上部は枯れてしまいます。
花の姿が「霜柱」のように見えるのですが、
名前の由来は、
枯れた茎の根元に「霜柱」が出来るために
「シモバシラ」なのだそうです。
その成長点は柱の上部ではなく下部にあり、
押し出されるように伸びていきます。
「雪寄草」(ゆきよせそう)という別名を持ちます。