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七十二候「地始凍」(ちはじめてこおる)

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「ちはじめてこおる」
と読みます。
 
冬の冷気の中で、大地が凍り始める頃です。
朝には霜が降りたり、水溜りには氷が張ったり、
場所によっては「霜柱」(しもばしら)
立つようになります。
舗装された場所が多くなったため、
見る機会が少なくなりましたが、
見つけるとそれだけで嬉しくなるものです。
足を踏み入れるとザクザクと音を立てて崩れて、
子供の時のように遊びたくなりますね。
 
「霜」「霜柱」もどちらも氷ですが、
発生の仕方に違いがあります。
「霜」は冷たい地表物に触れた
空気中の水蒸気が昇華して出来た氷です。
「霜柱」は地中の水分が凍って出来た氷です。
 
氷が出来る時の水分補給が
地中の深い方から行われるために、
「霜柱」は下で成長し、
先に出来ている氷を上へ上へと押し上げるため柱のような氷となります。
中には何層にもなって、長さ10cm程に達する
ものもあります。
 
「霜柱」は農作物を枯らしたり、
庭の土を荒らしたりすることもありますが、
朝日に輝く様は美しいです。
 

 
ところで、「霜柱」は土がある所なら
どこでも発生するかというと
そうではありません。
湿気の多い柔軟な土質に生じます。
 
更に、「霜柱」が出来るためには、
  • 地面近くの気温が0℃
  • 下の地中の温度が0℃以上
  • 土壌の含水率が30%以上
といった条件が揃った場合に
発生しやすいそうです。
 
 
 
ところで、「シモバシラ」という
シソ科の植物があります。
山地の木陰に生え、高さ約60cm程になります。
秋に、茎の上部の葉の脇から穂を出して、
白い唇形の花を総状につけます。
 
冬には地上部は枯れてしまいます。
花の姿が「霜柱」のように見えます。
 
 
名前の由来は、枯れた茎の根元に
「霜柱」が出来るために
「シモバシラ」なのだそうです。
その成長点は柱の上部ではなく下部にあり、
押し出されるように伸びていきます。
「雪寄草」(ゆきよせそう)という別名を持ちます。
 

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