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国民の祝日「山の日」

 
「山の日」とは
「山に親しむ機会を得て、
 山の恩恵に感謝する」日として、
平成26(2014)年に新設された「国民の祝日」です。
 

「山の日」記念全国大会

 
平成28(2016)年からは、
8月11日の日に各都道府県が持ち回りで
「山の日」記念全国大会 を開催しています。
 
 
「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という国民の祝日「山の日」の趣旨の浸透を図るとともに、山に関する歴史や文化の継承、環境保全、観光振興、健康増進、山岳遭難や自然災害への対応などの様々な課題の解決や「山の未来」のあり方について考える機会とすることを目的に、全国持ち回りで毎年開催されています。
 
今年、令和6(2024)年は、
開催されます。
東京は、1400万人が暮らす大都市でありながら、
雲取山や高尾山などの山々や、丘陵地の里山、
市街地の緑地や水辺、島嶼部の原生的な自然等
多様で豊かな自然を有する
世界でも類を見ない都市で、
山や自然と密接に繋がっています。
 
「山とともに成長する都市、東京。
 ~山々の恵みを未来へつなぐ~」をテーマに
様々な行事や関連イベントが行われます。
 

www.yamanohi-tokyo.com

 

「山の日」制定の経緯

 
日本は国土のおよそ6~7割が山地で、
周りを海に囲まれているため、
古くから、山や海に畏敬の念を抱きながら
生活し、それらの恵みに感謝しながら
自然とともに生きてきました。
 
 
平成7(1995)年に「海の日」が
国民の祝日になると、
「山の日」を祝日として
設定するように要望が動き出し、
都道府県の中には独自に
「山の日」を制定するところも出てきました。
 
都道府県 名称 日付
静岡県 富士山の日 2月23日
千葉県 里山の日 5月17日
広島県 ひろしま「山の日」 6月第1日曜日
奈良県 奈良県
山の日川の日
7月第3月曜日
長野県 信州山の日 7月第4日曜日
山梨県 やまなし山の日 8月08日
岐阜県 ぎふ山の日 8月08日
和歌山県 紀州・山の日 11月07日
香川県 かがわ山の日 11月11日
愛媛県 えひめ山の日 11月11日
高知県 こうち山の日 11月11日
大阪府 おおさか「山の日」 11月第2土曜日
 
地球サミット10周年に当たる
2002年が「国際山岳年」となると、
その動きは加速します。
 
また「海の日」設立に協力した
作曲家の故・船村徹氏が
平成20(2008)年に
「海の日があるのに、山の国である日本に
 山の日がないのはおかしい」と提言。
 

www.yamanohi.net

 
これを受けて、平成22(2010)年には
山岳5団体(日本山岳協会、日本山岳会、
日本勤労者山岳連盟、日本山岳ガイド協会、
日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト)が
「山の日制定協議会」を発足し、
山岳団体所属の議員に働きかけなどを
始めました。
 

 
平成25(2013)年には超党派の議員が集まって、
「山の日制定議員連盟」を発足。

 
同年6月22日には
同年11月11日には
「全国「山の日」制定協議会」が発足し、
「山の日」を「国民の祝日」にする運動は
全国に広がりました。
 
そうして、平成26(2014)年4月25日に
衆議院本会議で9党の賛成多数で可決、
同年5月23日に参議院本会議において
賛成多数で可決、成立し、
平成28(2016)年から8月11日が
「山の日」となりました。
 
ところで、「山の日」に由来については、
規定も明示もされていません。

 

「きのこの山の日」

 
「山の日」制定にあやかり、
きのこの山」を発売する「明治」では、
8月11日を「きのこの山の日」として
制定しています。
 
きのこの山」は、昭和50(1975)年に誕生した
2種類のチョコレートと
サクサクしたクラッカーの絶妙な食感で人気の
大ロングセラーのチョコスナック菓子です。
 

 
チョコレートの部分を
縦に2つ並べると「8」に、
クラッカーの部分を
2つ横に並べると「11」になることと、
国民の祝日の「山の日」に合わせて
「山」の名前がつく商品に
親しんでもらいたいことから、
「8月11日」という日付になったそうです。
 
因みに、姉妹品でありライバル商品でもある
たけのこの里」の記念日
「たけのこの里の日」は3月10日です。
 

 
たけのこの里」は昭和54(1979)年に誕生した
チョコレートとクッキーを組み合わせた
絶妙な食感と美味しさで愛されてきた、
こちらも大ベストセラーのチョコ菓子です。
「たけのこ」の旬が3月で、
3と10で「里(さと)」と読む語呂合わせから、
3月10日になったそうです。
 

「山の日」は、
なぜ「8月11日」になったのか?

 
漢数字の「八」の字が山の形に見えるため「8」、
木が立ち並ぶイメージから「11」というふうに
山を連想させる数字だからとも言われてますが
正式な由来ではなく、
あくまで後付けの説明に過ぎません。
 
当初は祝日のない「6月」、「海の日の翌日」、
「お盆前」、「日曜日」のいずれかを
「山の日」とする案の中から、
お盆休み(8月13日~8月15日)と
連続させやすい利点があるとして、
お盆前の8月12日を
「山の日」とする案が採用されました。
 

 
しかし8月12日は、「日本航空123便墜落事故」が発生した日であり、
123便が墜落した群馬県の御巣鷹山では
毎年この日に慰霊祭が行われているため、
「JAL123便事故が起きた日をお祝いするのは
 違和感を覚える」という懸念が相次ぎ、
日付の見直しが検討され、
最終的に「8月11日」に落ち着いたのでした。
 

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