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フェーン(Föhn・風炎・風焔)

 

 
 

フェーン(風炎・風焔)

「フェーン(Föhn・風炎・風焔)」とは
山腹を昇る時に
雨を降らせて水分を失った空気は、
山を越えて反対側の山腹に吹き下りる時に、
断熱圧縮により、乾燥した高温の大風
「フェーン (Föhn・風炎・風焔)」が吹きます。そのために付近の気温が上昇することを「フェーン現象」と呼びます。
 
春に強い南風(春一番)が吹くと、
日本海側でよく起こる現象で、
大火の原因にもなるので注意が必要です。
 
俳句では、春や晩春の季語として使われます。
 
アルプス山脈で吹く南風
元来はアルプス山中で吹く局地的な風で、
スイスでは、アルプスを越えて来る
暑さをもたらす南風と認識されています。
 
ドイツ語で「Föhn」と表記され、
アルプス山脈で観察される
「フェーン現象」を指すために使われましたが
現在では同様の気象現象を指す言葉として
広く使われています。
 
因みにドイツでは、
髪の毛を乾かす「ヘアドライヤー」を
意味する言葉としても使われています。
 
風炎・風焔(ふうえん)
「風炎 (風焔)」(ふうえん) は、
フェーン現象を表す漢字による当て字です。
 
大正12(1923)年に、
第4代中央気象台長となった岡田武松が
ドイツ語の「Föhn」に
「風炎」という漢字を当ててつけました。
岡田は「気象学の父」とも呼ばれ、
「台風」の命名者としても知られています。
昭和24(1949)年、鈴木大拙、津田左右吉、
志賀直哉らとともに文化勲章を受賞しました。