「お彼岸」は、「喪」の期間ではないため、
やってはいけないことは原則として
ありません。
ただ「してはいけない」とは言わないまでも、
周囲に気にする人がいる場合には
トラブルの原因にもなるので
「しないほうがよい」と言われていることは
いくつかあります。
やはり
やらない方がいいこと
「お彼岸」でやってはいけないと言われる
代表的なものは以下のようなものがあります。
彼岸花を持って帰る

「彼岸花(曼珠沙華)」とは、
秋の彼岸の頃に真紅の花を咲かせる、
「持ち帰ると火事になる」という迷信もある
花です。
実は、「彼岸花」の球根には強い毒があり、
誤って口に入れてしまうと、
死に至ってしまう恐れがあるために、
見つけても触れない方が無難でしょう。
お彼岸に土いじりを避けるべきは
誤解?

お彼岸の期間中に
「土いじり」を避けるべきだという
考えがありますが、これは誤解です。
どうやら「土用」と混同されているようです。
「土用」の期間には、土を司る神様である
「土公神」(どくしん) が地中にいらっしゃるため、
「土を動かす行為」を避けるべきとされて
います。
「お彼岸」は御先祖様を供養する期間で、
土いじりを避けるべきという明確な戒律は
ありません。
水辺で遊ぶ

あまり供養をされずに彷徨っている霊が、
水中で足を引っ張るからと言われていますが、
勿論これは迷信であり、根拠はありません。
ですが、「春のお彼岸」には
「彼岸西風」と呼ばれる強風が吹いたり、
「秋のお彼岸」には台風が接近したりと、
水辺で遊ぶには危険が伴うのも事実です。
水辺は気を付けておいた方が良さそうです。
お供物として相応しくないものを
供えること

基本的にお彼岸のお供物として
相応しくないものは、
「五辛」(ごしん) と呼ばれる食べ物と
魚や肉とされています。
「五辛」
仏教では古くから辛味や匂いの強い野菜を
食べることを禁止していました。
韮 (にら)・大蒜 (にんにく)・葱 (ねぎ)・
辣韭 (らっきょう)・薑 (生姜や山椒) です。
お祝い事は考慮してみる
「縁起が悪い」「不謹慎ではないか」として、お彼岸に行うことを避けた方が無難であると
考えられます。
神事

古来より、
「神様は祝事、仏教は弔事」という考えから、「神事」(しんじ) と「仏事」を一緒にすることは
良くないと考えられてきました。

ただ「伊勢神宮」では毎年
「春分の日」には
「春季皇霊祭遙拝」と「御園祭」(みそのさい) が、
「秋分の日」には
「秋季皇霊祭遙拝」が行われますし、
元々は神道と仏教は習合していたこともあり、
必ず控えなければいけないという訳ではないと言えます。
お宮参り

「お宮参り」は、神主が執り行う神事のため
やってはいけないと言われています。
勿論、避けなければいけない訳ではないですが
周囲に気にする方がいる場合は、
配慮した方が良さそうです。
上棟式など

「地鎮祭」「建前」「上棟式」などといった
行事は「お彼岸の期間中は行わない方が良い」
と言われますが、勿論こちらも迷信です。
これらの行事は「ご迷惑をお掛けしましたが、
ご協力を頂いた御蔭で無事に上棟しました」と
施主がご近所の方々に列席いただいて
お礼と報告をする行事でした。
わざわざ足を運んで頂くタイミングが、
忙しいお彼岸の期間中では申し訳ないので、
その時期に行うのは
避けようと考えられるようになったのです。
結婚式や披露宴
「お彼岸」に「お祝い事」を
重ねない方がいいと考える人もいるため、
出来れば避けた方が無難です。
それだけでなく「お彼岸」の頃は、
お墓参りや法要などがある他、
忙しい時期です。参列者の都合も考慮して、
時期が重ならないようにした方が良さそうです。
お見舞い

気をつけたいのが「お見舞い」です。
「死を連想して縁起が悪い」とか
「まだ生きているのに、
お墓参りに来られた気分になる」と
考える向きもあるからです。
相手の気分を害することがないよう、
気を付けましょう。
引っ越し

春のお彼岸や秋のお彼岸のシーズンは
ちょうど学期変わりの時期で、
引っ越しシーズンに当たります。
この時期にしか引っ越しが出来ない場合も
多いでしょう。
「お彼岸」に引越しをしてはいけないという
ものではありません。
ただ、気になるようでしたら引越しを
「お彼岸」の期間前後にするとか、
逆に先にお墓参りをして、御先祖様に
報告と感謝をなさってはいかがでしょうか。
納車

「お彼岸」が
「死」を連想させるということから、
この時期に納車すると事故を起こすという
迷信を信じている人は少なくありません。
勿論、気にする必要はないでしょう。
ただどうしても気になる場合は
お寺にお参りして交通安全の祈願をしたり、
御先祖様に感謝の気持ちを持って
新車の購入を報告してはいかがでしょうか。