「土公神」(どくじん、どこうじん)は、
「陰陽道」(おんようどう)の神様の一人で、
土を司る神様で、主に土の中におられます。
「土公神」は、「遊行神」(ゆいぎょうしん)と言って
同じ所にいるのではなく、
季節によって居所を変えて、
それぞれの地中にいるとされています。
- 春:竈(かまど)
- 夏:門
- 秋:井戸
- 冬:庭
この「土公神」が土を支配する期間を
「土用」と呼びます。
「土用」の正式名称は
「土旺用事」(どおうようじ)です。
「土旺用事」は、そのまま読むと、
「土の気が旺(さかん)になり、事を用うる」で
「土の気が最も盛んに働く期間」という
意味になります。
「土」:物を変化させる作用を持つ
「旺」:日の光が盛んに四方に放たれる様
「用」:働きの意味
「土用」の期間中に、
「土公神」が遊行している場所の土を動かすと
「土公神」の怒りを買い、祟りがあると
言われるようになりました。
<土を動かすこと>
土いじり、草むしり、井戸掘り、
増改築、地鎮祭
<新しいこと>
新居購入、就職や転職、結婚や結納、
開業や開店
<方角に関すること>
引っ越し、旅行
ただ、この「土用」の期間中であっても、
「土公神」が土を離れて
天上界に行く日があります。
この日のことを「間日」(まび)と言って、
「土を動かす行為」を行っても大丈夫と
言われています。
- 春:巳・午・酉の日
- 夏:卯・辰・申の日
- 秋:未・酉・亥の日
- 冬:寅・卯・巳の日
また、土用期間中にどうしても
「土を動かす行為」ような工事を
行わざるを得ない場合であっても、
神事を行なって、
土中に「鎮め物」(しずめもの)を埋めて、
工事の安全を祈願すれば、
御守護して下さいます。
