「天一天上」(てんいちてんじょう)とは、
「天一神」(てんいちじん)という方角の神様が天に上っているため、
天一神の祟りがなく、どの方角へ進んでも良しとされ、
特に、相場師が縁起を担いでこの日を用いました。
「天一天上」の日取り
「天一天上」の期間は、「天一神」が天に昇っている期間で、
「六十干支」の「癸巳」(みずのとみ)から「戊申」(つちのえさる)までの
16日間です。
この「天一神」は地上にいる間は、
位置を変えながら8つの方角を巡ります。
これを「天一神遊行」(てんいちじんゆぎょう)と呼び、
その滞在する方角は「塞」(ふたがり)と言って禁忌となります。
天一神遊行の日程

「己酉」から 6日間 | ➡ 東北「艮」(うしとら) の 方角 |
「乙卯」から 5日間 | ➡ 東 「卯」(う) の 方角 |
「庚申」から 6日間 | ➡ 東南「巽」(たつみ) の 方角 |
「丙寅」から 5日間 | ➡ 南 「午」(うま) の 方角 |
「辛未」から 6日間 | ➡ 南西「坤」(ひつじさる)の 方角 |
「丁丑」から 5日間 | ➡ 西 「酉」(うしとら) の 方角 |
「壬午」から 6日間 | ➡ 北西「乾」(いぬい) の 方角 |
「戊子」から 5日間 | ➡ 北 「子」(ね) の 方角 |
方違え
そちらに向かっては万事を忌むべしとされ、
特に争いごと、殺生、お産には祟りがあるとされました。
「天一天上」は古い暦にも載せられていて、
特に平安時代に流行し、
「天一神」という神様のいる方角を侵すことを慎むために
「方違え」(かたたがえ)をしました。
「天一神」は、「天一神遊行」(てんいちじんゆぎょう)後は、
再び「癸巳」(みずのとみ)の日に天上に昇り、
「戊申」(つちのえさる)までの16日間を天上で過ごされると
言われてます。
この16日間が「天一天上」です。
令和5(2023)年の「天一天上」
「癸巳」 | ~ | 「戊申」 |
(天一太郎) |
~ | 2月19日 [日] |
4月5日 [水] | ~ | 4月20日 [木] |
6月4日 [日] | ~ | 6月19日 [月] |
8月3日 [木] | ~ | 8月18日 [金] |
10月2日 [月] | ~ | 10月17日 [火] |
12月1日 [金] | ~ | 12月16日 [土] |
「天一天上」とは
この16日間は「天一神」の障りが無いので、
「方角の禁忌がない」とされ、
どこに出掛けるのも「良し」とされています。
その代わりに
「日遊神」が地上に降りて家の中に留まるので、
この期間は家の中を清潔にしなければ
「日遊神」の祟りがあるとされています。
家さえキレイにしておけば、
どこへ出掛けても幸福な出来事に出会えるので、
旅行に最適と言われています。
その年の最初の「天一天上」の1日目を
「天一太郎」と言って、
この日は「上吉日」とされています。
また、この日の天候でその年の豊作・凶作を占い、
雨が降ると、その後の天候が良くなくなると言われています。