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春の土用

「立夏」前の、春の終わりの約18日間は「春の土用」に当たります。
現代の日本で「土用」と言えば
「夏の土用」を指すのが一般的ですが、
本来は、「四立」(立春・立夏・立秋・立冬)の
直前約18日間ずつを指します。
 
 

春の土用

「土用」は「雑節」の一つで、
最も有名なのは丑の日に鰻を食べる「夏土用」ですが、
「土用」は四季毎にあり、「夏土用」以外にも
「春土用」や「秋土用」、「冬土用」もあります。
 
「春土用」とは、春の時期にある「土用」という意味です。
「立夏」の約18日前から始まり、「立夏」の前日に明けます。
令和4(2022)年の「春の土用」は4月17日~5月4日までになります。
 
令和4年の土用期間
  • 冬土用:  1月17日(月)~   2月3日(木)
  • 春土用:  4月17日(日)~   5月4日(水)
  • 夏土用:  7月20日(水)~   8月6日(土)
  • 秋土用:10月20日(木)~ 11月6日(日)
 
 

「土用」とは

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「土用」は、古代China発祥の自然哲学である
『陰陽五行説』を元に作られています。
『陰陽五行説』は、
万物は「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素から成るという説で、
これを四季に当てはめて
春は「木気」、夏は「火気」、秋は「金気」冬は「水気」と称されます。
しかし、これだと「土気」を当てはめるところがありません。
そこで、それぞれの季節が変わる前に「土用」の期間を置き、
これを「土気」としたと言われています。
 
また、土用は「雑節」(ざっせつ)と呼ばれる、
日本人の暮らしに即した、
季節の移り変わりをより適確に掴むために設けられた
特別な暦日(れきじつ・暦で定められた日)のひとつです。
 
 

土用の期間に避けておいた方がいいこと

1.土をいじること

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  • 地鎮祭
  • 造園
  • 土木
  • エクステリア工事
  • 土を動かすこと
    (盛り土・穴掘り含む)  
  • 井戸掘り
  • 土いじり
    (ガーデニング含む)
  • 新居の購入
  • 増改築
  • リフォームを始めること
「土用」の期間は、
土を司る「土公神」(どくしん・どくじん)という神様が支配すると言われ、
土を動かしてはいけないとされてきました。
今でも、家などを建築する際、
土を掘り起こしたりする基礎工事などは
「土用」の期間をはずす方が多いようです。
「土用」は季節の変わり目ですから、
農作業で体調を崩さないようにとの戒めもあると思われます。
 
 
2.新しく物事をスタートさせること

 
  • 開店・開業
  • 新規プロジェクトの着工  
  • 新規の契約
  • 就職・転職
  • 結婚・結納
  • 新居の購入
「土用」はそれぞれ季節の変わり目に当たるため、
体調を崩しやすい時期でもあります。
そのため、「新しいこと」は避けて、
静かに過ごしたほうが良いとされています。
 
 
3.移動すること
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  • 引越し   
  • 旅行
こちらも「新しいこと」と同じで、
「土用」は季節の変わり目で体調も崩しやすい時期なので、
「移動すること」は避けて、静かに過ごしたほうが良いとされています。
昔から土用期間の移動は、どの方角も良くないとされていました。
 
 

土用間日

「土用」の期間中に土を掘り起こしてはいけないとなると、
いろいろと支障が出ててしまいます。
ただ、「土公神」が天上に行き、
地上にいなくなる「間日」(まび)があり、
この日は作業をしてもいいとされています。
 
令和4年の土用間日
  • 冬土用間日[寅・卯・巳の日]
     1/25(火)・26(水)・28(金)
  • 春土用間日[巳・午・酉の日]
     4/22(金)・23(土)・26(火)・5/4(水)
  • 夏土用間日[卯・辰・申の日]
     7/25(月)・26(火)・30(土)・8/6(土)
  • 秋土用間日[未・酉・亥の日]
     10/21(金)・23(日)・25(火)・11/2(水)・4(金)・6(日)
 
 

土用殺

春・夏・秋・冬のそれぞれの「土用」には

「土用殺」と呼ばれる凶方位があります。

4つの土用それぞれについて決まっていて、毎年同じ方位となります。
「土用殺」を冒すと、凶作用を受けることになるため、
それぞれの土用期間に入ったら、たとえ吉方位であったとしても、
これらの方位への引越しや吉方位旅行はNGですので、ご注意下さい。
 
  • 冬土用:北東[丑]
  • 春土用:南東[辰]
  • 夏土用:南西[未]
  • 秋土用:北西[戌]
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春の土用

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「土用」の期間は「季節の変わり目」ということもあり、
健康管理に気をつけたい時期でもあります。
春夏秋冬のそれぞれの土用で気をつけるべきポイントは
以下の通りです。
 
  • 春土用:五月病、気力減退
  • 夏土用:熱中症、夏バテ
  • 秋土用:夏の疲れが一気に出る、老け込む
  • 冬土用:風邪、インフルエンザ
 
「春の土用」は、季節が春から夏へと変わり、
寒かったり温かくなったりと、気候が変わりやすい時期です。
そのため何となくやる気が出ないなど、
情緒不安定になることに注意と言われいます。
人によっては、入学や就職、転勤など、
大きく環境が変わって間もない、そわそわした時期。
慣れない環境の中で風邪などを引いてしまいやすい時です。
 

 
ですから、お風呂にゆったりと浸かって疲れをとったり、
気分転換を兼ねた掃除や衣替えなどをするなど、
ストレスを溜めないように
じっくりと落ち着いて過ごすのが良いと言われています。
 
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生命力がピークに達している木々の間を吹いてくる風を求め、
緑に溢れた近所の公園も緑道などを散歩するなどして、
風薫る季節を堪能しましょう。
 
 
「立夏」が始まるとやがて湿度の高い「梅雨」を迎えます。
梅雨時などは身体がだるく感じます。
この時期に、屋外に出て積極的に身体を季節の変化にならしておきましょう。
また、梅雨の時期から夏の初めは、身体の水分が滞りがちです。
梅雨が始まる前にウォーキングなどで汗を出せる身体作りをしておくと、
苦手な時期を乗り越えやすくなります
 
 

春の土用に食べるといいもの

「春の土用」の期間は
「五月病」になったり、「やる気が無くなること(=気力減退)」に
注意が必要と言われています。
そこで、良質なたんぱく質やビタミンが豊富なものを
食べると良いとされています。
 

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「夏の土用」は「丑の日」に「うなぎ」と言われていますが、
「春の土用」は「戌の日」に「いぬ」に因んで、
「い」のつく食べ物や「白い」食べ物が良いと言われています。
令和4(2022)年の春土用の「戌」の日は、4月27日(水)です。
 
 🍓「い」のつく食べ物
   「イカ」「いくら」「いちご」「イチジク」
   「芋」 「いわし」「いんげん豆」など
   
 
 🍲「白い」食べ物
   「イカ」「しらす」「大根」「カブ」「白米」
   「ホワイトアスパラ」など
   
 

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