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秋の月

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「秋の月」は、「中秋の名月」を中心に
陰暦7月15日の「盆の月」から、
陰暦9月13日の「十三夜」まで、
ほぼ二カ月に渡って目で楽しむものです。
 
 

「秋の月」

 
俳句歳時記では、「月」は秋の季語です。
他に季語を持たない「月」の句では、
「月」と言えば「秋の月」を指すことに
なっています。
 
秋の空気は比較的乾いているため、
くっきりとキレイな月が見えやすく、
月の高さもちょうど良い高さに昇るため、
1年で最も「お月見」に適した季節です。
 
お月見
「お月見」は、元々は平安時代にChinaから
伝わった風習でした。
Chinaでは「中秋節」の丸い月を愛でるのに対し、
日本では必ずしも完全な形だけでなく、
「十三夜」のようにちょっと欠けた月など、
色々な形の月を眺めます。
 
「中秋」と「仲秋」
「ちゅうしゅう」という音を表現するのには
「中秋」「仲秋」の2通りの書き方があります。
 
「中秋」は「旧暦8月15日」のことで、
旧暦8月15日の「十五夜」のことを
「中秋の名月」と書きます。
一方「仲秋」は、秋を
「初秋(7月)」「仲秋(8月)」「晩秋(9月)」の
3つに分けた時の呼び名です。
「仲秋」は「旧暦8月」の別称なので、
「仲秋の名月」は「8月の名月」という
意味になります。
 

瀧廉太郎作詞作曲
『月(秋の月)』

 
明治33(1900)年、瀧廉太郎は、
組歌『四季』(「花」「納涼」「月」「雪」)を
発表しました。瀧廉太郎21歳の時です。
第1曲目の『花』は、「春のうらゝの隅田川…」で始まる有名な作品です。
 
瀧廉太郎はこの組歌に大きな抱負を持って
取り組んだようで、
楽譜の序文の中で次のように述べています。
 
「(当時作られていた)日本の歌曲は、
 教育用の学校唱歌ばかりで
 質の高いものが少ないため、
 微力ながら日本語の歌詞に作曲した曲を
 世に出すことによって、
 日本歌曲の発展に寄与したい」(意訳)
 
そんな『四季』の第3曲目が『月』です。
作詞も滝廉太郎自身で行った唯一の作品で、
秋の憂いの感情が描写されています。
後に山田耕筰が独唱曲『秋の月』に
編曲しました。
 
瀧廉太郎『月』
 
 ひかりはいつも かはらぬものを
 ことさらあきの 月のかげは
 などか人に ものを思はする
 などかひとに ものを思はする
 あゝなくむしも おなじこゝろか
 あゝなく虫も おなじこゝろか
 こゑのかなしき
 

秋の月・早見表

陰暦 月の名前
7月15日 盆の月
7月26日 二十六夜待
8月初旬 初月
8月14日 小望月
8月15日 「十五夜」
「芋名月」
8月16日 「十六夜」
8月17日 「立待月」
8月18日 「居待月」
8月19日 「臥待月」
8月20日 「更待月」
8月23日 「二十三夜月」
9月13日 「十三夜」
「芋名月」「栗名月」「豆名月」