うまずたゆまず

コツコツと

月の名前

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夜空に浮かび上がる月。
月は毎夜、形を変えていきます。
目に見えない「新月」から「三日月」、「半円の月」、
そして丸い「満月」になり、今度は欠けていきます。
 
昔は、この月の満ち欠けで日にちを数えていました。
そしてその満ち欠けによって、名前が変化します。
月と人間は、今のの時代よりも生活に強く結び付いたのです。
 
 

月の名前

1日目の月「新月」:太陽の方角にあるので見られない月
1日目の月で「朔月」とも呼んでいます。
「朔」は「はじめ」という意味で、
月の満ち欠けがここから始まるよ、ということ。
実際には、昼間の太陽の方角に月が出ているので、
地球からは見ることは出来ない月で、闇夜です。
 
2日目の月「繊月(二日月)」:糸のように細い月
新月の翌日、日没の前後1時間程の、空がまだ明るい時間帯に、
繊維のように細く見える「繊月」(せんげつ)
肉眼ではぼんやりと見える程度です。
「二日月」とも呼ばれ、秋には20分くらい、
他の季節でも1時間くらいで、沈んで見えなくなってしまいます。
 
3日目の月「三日月」:願いを叶えてくれる月
3日目の月「三日月」は、
太陽が沈む頃の西の低い空に見つけることが出来ます。
また、「三日月」は
「朏」(ひ)という漢字で表されることもあります。
「新月」の後に、最初に月の姿が出てくることを表しています。
他にも、「初月」(はつづき)、「若月」(わかつき)、「眉月」(まゆづき)
といった呼び名があります。
また、フランス語では「Croissant」と表現され、
「クロワッサン」の名前の由来にもなっています。
 
日本には古くから「三日月信仰」があり、
西の夕空に現れた三日月に向かって女性達が手を合わせたり、
豆腐を捧げたりしたそうです。
 
7日目の月「上弦の月」:弓の形に似ている月

 
上弦の月」は
ちょうど新月から満月へと移り変わる中間に位置し、
見上げると面白いぐらいぴったり
半分に分かれた月を見ることが出来ます。
「上弦」というのは、
夜中に西の空に沈む時にカーブしている方が下になり、
弓の弦が上にあることを言います。
 
この月を美しい姿を弓に張った弦になぞらえて、
「弦月」(げんげつ)とか「弓張月」(ゆみはりづき)とも
呼んだりしています。
 

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10日目の月「十日夜」
旧暦の10月10日は「十日夜(とおかんや・とおかや)
「十五夜」「十三夜」に続き、
その年に行われる三回目のお月見を行う地域もあることから
「三の月」と呼ぶこともあります。
東日本を中心に、秋の収穫祭が行われます。
 

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13日目の月「十三夜」:満月まであと少しの月
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13日目の月「十三夜」は、
「満月」に次いで美しいとされている月です。
特に旧暦の9月13日の「十三夜」は、
旧暦8月15日の「十五夜」の月見に続く月ということから、
「後の月」(のちのつき)と呼ばれ、
古くから豆や栗をお供えしてお月見が行われてきました。
十三夜」と「十五夜」の月を合わせ「二夜の月」(ふたよのつき)
更に旧暦10月10日の「十日夜」を合わせ「三月見」(みつきみ)
どちらか一方だけ月見をすることを「片月見」(かたつきみ)と言います。
「十三夜の月見」は日本で生まれました。
完璧ではない未完成ゆえの美しさが、
日本人の心に響いたからだと考えられています。
 

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14日目の月「小望月」:満月の前夜の月
「満月(望月)」の前夜に出ることから、
「小望月」(こもちづき)とも言います。
また、「幾望」(きぼう)とも言い、幾は「近い」の意味で、
望(満月)に近い(幾)月という意味です。
他にも、翌日の満月を気もそぞろに楽しみに待つという意味で、
「待宵月」(まちよいづき)とも言います。
「満月」への期待を膨らませて、
先人達は前夜の月に名前を付けて愛でたのですね。
 
 
15日目の月「満月」:ひときわ輝いている月
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最も丸い状態になるのが15日目の月「満月」です。
月と太陽を結ぶ線上に地球が位置し、
太陽の光が月全体を照らしているので他の形の月とは明るさも違います。
また、満月だけは一晩中見ることが出来るのも大きな特徴です。
この日の月は「十五夜」とも呼ばれています。
古来より、旧暦8月15日の夜空に浮かぶ月は最も美しいと言われ、
鑑賞するならわしがありました。
ちょうど秋の真ん中(「中秋」)にあたるため、
中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)とも言います。
今でも、ススキや秋の七草を飾り、月見団子や収穫された里芋を供えて、
お月見を楽しむ風習は残っています。
 

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16日目の月「十六夜」
「いざよいづき」と読み、「いざよう」とはためらうという意味です。
月の出が「十五夜」より少し遅くなっているのを
「月が恥ずかしがっている」と見立てたのが「十六夜」です。
「望月」を過ぎて出ることから「既望」(きぼう)とも呼ばれています。
阿仏尼の『十六夜日記』は十六夜の日に旅立ったための命名。
「十六夜窓」は円窓の下部が切り取られた形から。
 
17日目の月「立待月」
17日目の月の出は「十六夜月」より更に遅く、
日没後に「今か今かと立って待つうちに月が出る」ということから
ら「立待月」(たちまちづき)という名が付きました。
 
18日目の月「居待月」
「いまちづき」と読みます。
居間などに座って一服しているうちに月が出てくるという意味の
名前が付けられているお月様です。
ゆったりと出迎える風情豊かな月です。
 
19日目の月「寝待月」
日没後から月が出てくるまでの時間が長く、
寝て待つほどという意味から「寝待月」(ねまちづき)と呼ばれます。
臥床(ふしど)の中で待つことから、「臥待月」(ふしまちづき)とも言います。
 
20日目の月「更待月」
「ふけまちづき」と読みます。
月の出が遅く、夜更けまで待ってようやく出てくるお月様のこと。
亥中(亥の正刻・午後十時)の頃に東の空に昇ることから
「亥中の月」(いなしのつき)とか「二十日亥中」(はつかいなか)とも言います。
 
 
満月以降、「十六夜月」「立待月」「居待月」「寝待月」「更待月」と
1日毎に月に名前が付けられています。
昔の人々が、月が出るのを心待ちにしていたのですね。
 
そしてこれらの月は、夜が明けるまで輝いており、
太陽が昇る前まで、西の空で白く透き通ったように見えます。
 
23日目の月「下弦の月」(二十三夜月・真夜中の月):遅い時間に現れる月

上弦の月」とは全く反対で、
同じ半月でも左側半分が輝いて見えるのが「下弦の月」です。
真夜中(子の刻・午前零時頃)に月が昇ることから、
「真夜中の月」とも言います。
昼頃に沈むため、夜明け以降の青空に見えることがある月です。
 
「二十三夜」「二十三夜待」には、
女達が集まり、勢至菩薩や子授観音を祀ったりしました。
 

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26日目の月「有明月」:三日月とは逆を向いた月
ちょうど「三日月」と左右逆に見える月で、
夜中の1時から3時の間に昇り、夜が明ける頃に白く輝きます。
夜明けの空(有明の空)に昇ることから、
「有明月」(ありあけづき)という名前が付きました。
「有明月」は、「三日月」とは逆を向いて左側が細く見え、
浮かんでいる場所も西ではなく東です。
「十六夜」以降の月の総称としても使われています。
 
28、29日目の月「明けの三日月」:満ち欠け一巡りの月
月は約29.5日で、また新月になります。
実際に私達が見られるのは28か29日目の月までになります。
季節により地球と月の動きにズレがあるため、
最後の月が見られる日に違いがあります。
この月は、明け方に輝いて見えるので「明けの三日月」と呼ばれています。
 
三十日月・晦
再び「新月」に戻る頃の姿である「三十日月」(みそかづき)
この日は「新月」と同じように、肉眼では月は見えません。
月の光が隠れて、見えなくなる頃を意味する
「月隠」(つきごもり)が「つごもり」になり、
各月の最終日を「晦」(つごもり)と呼ぶようになりました。
特に12月の最終日を「大晦」(おおつごもり)と言います。
 
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季節や風情を表す月の名前

春夏秋冬…… 季節をあらわす月の名前・呼び名
  • 春月(しゅんげつ):春の月
  • 夏月(かげつ)  :夏の月
  • 秋月(しゅうげつ):秋の月
  • 冬月(とうげつ) :冬の月
  • 朧月(おぼろづき):かすかに霞んだ月。春の季語
  • 寒月(かんげつ) :冷たく冴えてみえる月。冬の季語
 
気象・天候をあらわす月の名前・呼び方
  • 雨月(うげつ) :雨の夜の月。十五夜が雨で見えない時もいう。
  • 無月(むげつ) :十五夜が曇りで見えない時。
  • 薄月(うすづき):薄雲のかかった月。
 
月の見え方による呼び名・名前
  • 孤月(こげつ) :寂しげに見える月
  • 淡月(たんげつ):光の淡い月
  • 青月(せいげつ):青く輝く月
  • 明月(めいげつ):清く澄んだ月
  • 朗月(ろうげつ):清く澄んだ月
  • 皓月(こうげつ):清く澄んだ月
  • 素月(そげつ) :清く澄んだ月
 
時間の推移による月の名前・呼び方
  • 夕 月(ゆうづき)    :夕方にみえる月
  • 黄昏月(たそがれづき)  :黄昏時の月
  • 残 月(ざんげつ)    
  • 有明の月(ありあけのつき)
  • 朝行く月:夜明けにまだ残っている月。
 

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