「下弦の月」は月齢23日目の月の左半分が
照り輝いて見える「月」のことを言います。
夜中に東の空に現れ、日中に沈む月です。
月の入りの時に、弦が下方に来るのですが、
日中なので見えません。
月の名前
満ち欠けする月には、
その時々の見え方、形によって
様々な名前がつけられています。
「三日月」「上弦の月」「満月」
「十六夜」「下弦の月」
・・・・など美しい名前が並びます。
「下弦の月」
月齢平均21.15の新月に向かう「半月」を
「下弦の月」といいます。
月は真夜中から東に昇り、明け方に南中し、
正午頃に西に沈みます。
月が沈む時に欠けている部分が
右側にあって、下を向いているので
「下弦」と言います。
まだ辺りが薄暗い夜明け前に空を眺めると、
ぼんやり見えることがあります。
午前10時頃に西空に傾いて見えますが、
空が明るいので気づかない人も多いでしょう。
「上弦の月」と「下弦の月」の違い
同じ半月でも、新月から数えて
月齢が 7日目頃の月のことを「上弦の月」、
月齢が23日目頃の月のことを「下弦の月」
と言います。
「上弦」や「下弦」の名前に使われている「弦」(つる)とは、弓に張る糸のことで
半月の形が弓に似ていることから、
弓の真っ直ぐな部分である「弦」の漢字が
用いられたと言われています。
「下弦の月」(かげんのつき)は、満月の後、
左半円状に見え、東半分が輝いて見える月を
言います。
満月と次の新月の中間の頃の月です。
「下弦」という名前は、
月が沈む時に弓を張ったような形
(弦の部分(直線部))が下で、
半円部のカーブしている方が
上に見えることから名付けられました。
一方、「上弦の月」(じょうげんのつき)は
右半円状に見え、西半分が輝いて見える月を
言います。
月が沈む時に弓を張ったような形
(弦の部分(直線部))が上で、
半円部のカーブしている方が下に見えることから名付けられました。
「下弦の月」は、
真夜中に東の空に昇り、明け方頃に南中、
そして昼頃に西の空から沈んでいきます。
一方、「上弦の月」は、
昼頃に東の空に昇り、夕方頃に南中、
そして真夜中に西の空から沈んでいきます。
「下弦の月」の別名
「下弦の月」は旧暦22、23日頃の半月なので
「二十日余りの月」(はつかあまりのつき)とか
「二十三夜月」(にじゅうさんやづき)という
別名があります。
「下つ弓張」(しもつゆみはり)、
「下り月(降り月)」(くだりづき)、
「望くだり」(もちくだり)とも呼ばれています。
二十三夜
ところで、「下弦の月」(かげんのつき)は
23日目頃の月なので、
「二十三夜」(にじゅうさんや)とも言います。
月を拝んだり観賞する風習
「月待信仰」は、
現在では「十五夜(中秋の名月)」のみと
なりましたが、
月が暮らしともっと密接だった頃は、
十三夜、十五夜、十七夜、二十三夜、
二十六夜なども盛んに行われていました。
中でも、全国各地で人気だったのが
陰暦の23日の夜に行われた
「二十三夜待ち」です。
毎月祀る例は少なく、
正月、5月、9月の3回、
あるいは正月、
11月の「大師講」(だいしこう) の日に
行われました。
「二十三夜の月」は、
真夜中になって昇る「下弦の月」です。
講単位で宿に集まり、念仏を唱えたり
飲食したりしながら月の出を待ち、
月を拝んで解散しました。
「二十三夜の月」の様を見て、
その年の作物の豊凶を占っている
ところもあります。
場所によっては、二十三夜は男だけで、
前日の「二十二夜」に女だけで集まり、
「安産祈願」を行う所もあります。
そして「二十三夜講」を作っている所では、
村の四つ辻に「二十三夜塔」という
記念碑が建てられました。