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十日夜(とおかんや・とおかや)

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旧暦10月10日は
「十日夜」(とおかんや、とおかや)です。
「十日夜」は、東日本を中心に行われる
秋の収穫祭です。
 
令和5(2023)年の旧暦10月10日は
11月22日[水]ですが、
旧暦10月10日をそのまま1ヶ月ズラした
新暦の「11月10日」に実施する地域が多く、
また旧暦を現在の暦(新暦)に換算して行う
地域もあります。
 
 

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「十日夜」(とおかんや)とは?

 
月齢が十日目に当たるので「十日夜」です。
「とおかんや」または「とおかや」と
読みます。
 
お月見

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十五夜」「十三夜」に続き、
三回目のお月見を行う地域もあることから、
「三の月」と呼ぶこともあります。
そして、「十五夜」「十三夜」「十日夜」の
「三月見」(さんつきみ)が全て晴れると
良いことがあると言われています。
 
収穫祭
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更に「十日夜」は、稲刈りが終わって
田の神様が山に帰る日なので、
「刈り上げ十日」とも言います。
「十日夜」は、田の神に感謝する
収穫祭の意味合いがある行事でした。
 
田の神様が山に帰るこの日は、
稲の収穫に感謝し、翌年の豊穣を祈って
田の神に餅やぼた餅をお供えし、
お供えした餅やぼた餅、
収穫した食べ物をいただきました。
 
「十日夜」の習慣は
東日本を中心に残っていますが、
収穫祭の内容は地方によっても違いがあります。
 
藁鉄砲(わらでっぽう)
群馬県や埼玉県、長野県の一部地域では
かつて「十日夜」の夕方から夜にかけて、
「藁鉄砲」を行っています。
集団になった子供達が歌いながら、
刈り取り後の稲を縄で固く巻いて
棒状にした「藁鉄砲」で
カーンといい音がするよう地面を叩きました。
 
「藁鉄砲」で地面を叩くのは、
農作物の敵である土竜や鼠などの
害獣を駆除するためですが、
その他にも五穀豊穣を願う
「まじない」としての意味もあります。
 
歌は地域によって異なります。
例えば埼玉県の秩父地方では、
「トーカンヤ、トーカンヤ、
 朝そばきりに昼団子、
 ヨーメシ食ったらひっぱたけ」
 
「トーカンヤ、トーカンヤ、
 十日の(または“イノコの”)ぼた餅
 生でもいいから 十(とう)食いたい」
入間地方、川越市周辺などの
バリエーションが存在します。
 
案山子揚げ(かかしあげ)

 
また長野県の一部地域では、
「案山子揚げ」と言って、
「十日夜」は案山子の神が天に上る、
または山の神になる日とされ、
田から案山子を引き揚げ、
案山子を神として祀り、蓑笠をかぶせ、
箒や熊手などを持たせてお供え物をします。
「案山子引き」「ソメの年取り」とも言います。
 
大根の年取り
「十日夜」を
「大根の年取り」または「菜の年越し」と
呼ぶ地域もあります。
「十日夜」は大根が生長する大切な夜だから、
もしくは、大根の割れる音、うなる音を聞くと
まもなく死ぬと言われて、
この日は大根畑に入ることを忌み、
大根を抜いたり、食べたりせずに、
翌日以降にするというものです。
 

亥の子

 

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一方西日本では、同じような意味で、
「亥の子」(いのこ)という行事が行われます。
「亥の子」とは、亥の月の最初の亥の日に
行われる行事のことで、
子孫繁栄や無病息災を願い、
収穫に感謝し豊作を祈願します。
「亥の子祭り」「玄猪」「亥の子の祝い」とも
呼ばれています。
 

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