「にじかくれてみえず」
と読みます。
「虹蔵不見」は、冬の日差しが弱まって、
虹が見られなくなる頃という意味です。
「虹蔵不見」の「蔵」には、
「物をしまっておく建物」という
意味が転じて、
「隠して表に現わさない」「潜む」という
意味があります。
太平洋側の地域では、日差しのせいだけでなく、
空気もカラカラに乾燥するため、
虹が見られなくなってしまうそうです。
虹は太陽の光が空気中の水蒸気の中で屈折して出来るため、雨(水蒸気)が少なく乾燥している
冬は虹も遠慮してしまいます。
ただ、季語に「冬の虹」があるように、
時雨の空に出たり、
荒波の暗い海から立ち上がったりと、
思いがけず虹を見ることが出来ることも
あります。
しかしその虹は、夏のように確かなものでなく
どこか弱々しく、すぐに消えてしまいます。
けれども印象は鮮明で、心に残ります。