旧暦八月二十三日の夜の月は、
満月から新月までのほぼ中間に出る半月
(「下弦の月」(かげんのつき) )で、
「二十三夜月」(にじゅうさんやづき) とも
言われます。
「下弦の月」(かげんのつき) は、
「上弦の月」(じょうげんのつき) とは全く反対で、
同じ半月でも左側半分が輝いて見えます。
真夜中の子の刻(午前零時頃)に
東の空に出るため、
「真夜中の月」(まよなかのつき) とも言います。
沈む時には弓の弦を地平線に向けて沈み、
朝方には南の空に見え、
昼近くまで残る「有明の月」です。
民俗行事として行われる月待 (つきまち) の
「二十三夜待」(にじゅうさんやまち) は、
講単位で宿に集まって、
勢至菩薩や子授観音を祀り、
念仏を唱えたり飲食したりしながら
月の出を待ち、
深夜の寝静まる頃に現れた
「二十三夜月」を拝むものです。
なお「講」は、村の小字、村全体、
任意の者などを単位としていましたが、
女性、特に嫁仲間で結成されることが
多かったようです。
この「二十三夜待」は、
正月・3月・5月・9月・11月に行われることが多く、
特に11月(霜月)の祭は、
11月23日は「大師講」(だいしこう) の名で知られ、
その年の収穫を感謝する
「新嘗祭」(にいなめさい) とも関連があると
されています。
なお季語の「二十三夜」は、
九月(旧暦八月)を指します。