厳しい冬が終わり、様々な生命の芽吹く春は、
日本人にとって一年の始まりの季節です。

私達の人生の大きな節目でもある春を祝い、
この一年が素晴らしいものになることを祈り、
かつ、一年の無事を祈るために、
多くの神社では、
「春祭」(はるまつり)が執り行われます。
すなわち2月初旬から5月初旬までの、
主に2月から4月にかけて行われるお祭りが
「春祭り」です。
我が国日本は、本来、稲作中心の
農耕社会を基盤として成立しており、
春には年穀の豊穣を祈り邪気を祓い鎮め、
秋になったら豊作を感謝する祭りを行う
「農耕祭祀」(のうこうさいし) が基本でした。
現在、行われている年中行事や祭りの多くは、
この「農耕祭祀」に由来しています。
四季がある日本では、季節によって
祭りに込める感謝や祈りの内容が異なります。
大きく分けると、
🌸 春は豊作を祈願し、
🌿 夏は無病息災を願い、
🍁 秋は収穫への感謝を込めて
🌿 夏は無病息災を願い、
🍁 秋は収穫への感謝を込めて
お祭りが催されます。
なお単に 「祭り」 と言えば「夏祭」を指します。
「農業」と「信仰」は密接に関わっており、
「田植え」や「稲刈り」といった
重要な農作業毎に神事を行ってきました。
更に、鋤や鍬などの農具には
神の名を使って大切に扱ってきましたし、
「田んぼの案山子 (かかし) 」は、
害鳥を追い払うだけではなく、
「山の神」が田に降りて来る時の目印となる
「依り代」の意味もありました。
日本古来の神道では、
春になると先祖の霊が山から降りて来て
「田の神」となり稲を守護して下さり、
そして秋になり稲刈りが終わると
山に戻って「山の神」となると考えます。
そのため春になると、
山に登って花を摘み、
田の神様をお迎えして祀る風習がありました。
現在でも、春になると
「お花見」が盛大に行われるのは、
この風習の名残りです。
そして一年の農耕を始めるにあたり、
伊勢神宮を始めとする各地の神社では
豊作を祈る「祈年祭」(としごいのまつり) を
催行します。
田植えの前には、田の仕事を開始する予祝祭
「御田植神事」や「御田祭」を行います。