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お花見(おはなみ)

 
 

お花見の歴史

「桜」は日本において特別な花木です。
「桜」と言えば「花見」がつきものです。
「お花見」の起源は諸説がありますが、
時代を遡ると、
当初はChinaから伝来した「梅」を鑑賞しながら
歌を詠んでいたようです。
これは、決して「桜」が
好まれていなかった訳ではなく、
当時の日本人にとって
「桜」は「神聖な木」として扱われていた
ためです。
実際、『万葉集』には
「桜」を詠んだ歌も残されており、
古代神話以前から、
「桜」は神の宿る木として信仰の対象とも
なっています。
 

    

 
平安時代以降は「桜」を愛でるようになります。
多くの「桜」をテーマにした和歌が詠まれ、
それは花の美しさだけでなく、
散っていく儚さも日本人の心を捉えてきました。
そして「花」と言えば「桜」というイメージが
定着していくことになりました。
 
初めて桜の花見をしたは、
嵯峨天皇であったと言われています。
『日本後記』に嵯峨天皇が宮中の庭で
「花宴之節」(弘仁3年/812)を催した記録があり、
それが桜の花見の最初とされています。
この後は毎年のように花宴が催されるようになり
観桜の宴は天長8(831)年から宮中の定例行事と
なりました。
 
 
鎌倉・室町時代に入ると
徐々にあらゆる階層に広まっていき、
武士や町人も桜を楽しむようになり、
京都では山や寺社などにも桜が植えられたのもこの頃であると言われています。
 
安土桃山時代には豊臣秀吉が
「桜の名所」で盛大な花見を催しました。
特に「吉野の花見」や「醍醐の花見」は
有名ですね。
「吉野の花見」は、徳川家康や前田利家、
伊達政宗などの名だたる武将や
茶人・連歌師など参加者総勢5000人にも及ぶ
お花見だったと言われています。
 

 
「醍醐の花見」は、
お花見のために700本の桜が醍醐寺に植えられ、
北政所、淀殿、秀頼を始め
徳川家康らの諸大名と奥方など
約1300人の伴を連れ、
豪華絢爛に茶会や歌会などが
5日間に渡って催されるなど、
まさに史上最大の花見であったと
言われています。
(この半年後に秀吉は他界。)
 
お花見とセットで親しまれる「三色団子」も、
この時振舞われたのが最初だと
言われています。
 
江戸時代以降になると、
「花見」は庶民の楽しみとしても、
広く浸透するようになります。
八代将軍・徳川吉宗は
「飛鳥山」(東京北区、現・飛鳥山公園)や
「御殿山」(東京品川区、現・御殿山庭園)、
隅田川の土手、小金井堤などに
数千本の桜を植えて、庶民に開放したことから。
花見は庶民の年中行事とも言える楽しみと
なりました。
 
人々は桜が咲き始めると
連れだって「花見」に繰り出し、
樹下でお弁当を食べたり、
歌を唄ったりしながら春の訪れを楽しむ、
現在の花見のスタイルが広まったのです。
 

 
 
また江戸時代の後期には、
また、江戸後期には染井村
(現:東京都豊島区駒込)の植木職人が
エドヒガンとオオジマザクラを交配させた
「ソメイヨシノ」を誕生させました。
 

 
桜の交配や改良は
江戸末期までに盛んに行われたことから、
この頃に出来た桜の種類は
何と250~300種にもなっていたようで、
様々な品種の桜が各所に植えられていました。
花の咲く時期は品種毎に異なるので、
時期をずらしながら様々な桜を楽しめることが出来たのです。
そして桜の特徴や開花時期、名所等を紹介する
「花譜」「花暦」のようなガイドブックも
出版されていました。
 
「ソメイヨシノ」は、明治以降には
学校や公園、河川敷に植えられ、
現代では一番良く目にする桜となりました。
 
「山桜」は古来、日本に自生してきた
野生種の桜です。
奈良県吉野山の「吉野の桜」は
この「山桜」です。
奈良県吉野山の「山桜」は約3週間に渡って、
下千本、中千本、上千本、奥千本と、
山下の北から山上の南へと順に、約3万本の花が次々と咲き、山が薄紅色に霞んで見えます。
 
 
 

花見と田の神信仰

 
花見の起源を遡れば、
「田の神信仰」に結び付くと言われます。
「桜」の語源には諸説ありますが、
「さ」は田の神様を意味し、
「くら」は田の神様が座る場所を指す古語で、
このふたつが組み合わさって
「さくら」となったというものです。
 
 
田の神様は冬になると山に住み、
春になると里に降りてきて
「桜」の木に宿ります。
そして稲の種蒔きの準備をする頃になると
その合図に桜の花を咲かせると
信じられていました。
 
人々は「桜」の花が咲くと、
田の神様を迎えるために
「桜」の木の下で
料理や酒を用意してもてなし、
今年の豊作と無病息災を祈願。
「桜」の咲き具合によって、
その年の米出来高を占ったり、
「厄除け」をしていたとも言われています。
それから人々も
一緒に料理や酒をいただいていたことが、
今に続く「お花見」の由来になったのだ
そうです。
 

 
田植が始まると、
田の神様は田んぼに移って農事を見守ります。
そして無事田植えが終わるのを見届けると、
また山に帰って行くのですが、
人々は今度は「早苗饗」(さなぼり)という
田植え終了の祝宴を開いて、
山にのぼる神を見送ったのでした。
 

桜(さくら)

 
(さくら)は卒業から入学の時期に咲く、
日本の春の花代表とも言えるような樹木です。
「国民に最も愛好され、その国の象徴とされる花」
とされる「日本の国花」でもあります。
 

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日本三大桜


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日本「三大桜」は、
樹齢の長いものや木が大きいもの、
景観としての美しさなどから
有名となっているものです。
大正時代に制定された
史跡名勝の中から選出されたもので、
天然記念物にも指定されています。
「三大桜」の他に、
静岡の「狩宿下馬桜(かりやどのげばざくら)
埼玉の「石戸蒲桜」 (いしとかばざくら)
合わせて「五大桜」と呼ぶこともあり、
いずれの場所も見事な桜が楽しめる
名所となっています。
 
  1. 福島県「三春滝桜みはるたきざくら」   樹齢1000年超
  2. 山梨県「山高神代桜やまたかじんだいざくら」 樹齢約1800〜2000年
  3. 岐阜県「根尾谷淡墨桜ねおだにうすずみざくら」  樹齢1500年超
 

 
 
日本三大桜の名所
  1. 弘前公園  (青森県)
  2. 高遠城址公園(長野県)
  3. 吉野山   (奈良県)
 
日本三大夜桜の名所
  1. 弘前公園  (青森県)
  2. 高田城公園 (新潟県)
  3. 上野恩賜公園(東京都)
 
 

桜の開花と桜前線

毎年春になると、
桜の開花予想が話題になります。
桜前線」とは、日本各地の桜、
特に「ソメイヨシノ」の開花日を
繋いだ線のことです。
3月中旬に九州や四国南部から北上を始め、
5月上旬に北海道に至ります。
 

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桜の食べ物

桜餅

「桜餅」とは、
小麦粉やもち米から作られた生地で
小豆あんをくるみ、塩漬けした桜の葉で
包んだ和菓子です。
鮮やかでキレイな桜色でいい香りのする、
春の季節には欠かせない和菓子ですね。
 

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あんぱん

4月4日は「あんぱんの日」です。
明治8(1875)年4月4日、明治天皇・皇后両陛下が
東京の向島にある水戸藩の下屋敷で「お花見」をされた際に、
木村屋のあんぱんが出されたことから制定された記念日です。
 

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桜湯

結婚式の控室や出産祝いの席など、
おめでたい場所で飲むことが多い「桜茶」。
湯飲みに浮かぶピンクの花びらがとてもかわいいですよね。