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かまくら

 
東北地方や北陸地方の積雪の多い地域の
冬の風物詩「かまくら」は、
子供達の雪遊びのように思われていますが、
元々は「小正月」の伝統行事です。
 
 

「かまくら」とは

そもそも「かまくら」とは、
雪をドーム状に積み上げて竈の形にし、
入り口をくり抜いて作った
「雪洞」のことを指すのではなく、
小正月」の伝統行事のことです。
 
今でも雪が多く降る地域では
「かまくら」祭りなどが開催されています。

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起源

「かまくら」は、「小正月」に
正月の松飾りや注連縄などを燃やして
豊作を祈願する「左義長(さぎちょう)と呼ばれる
「火祭り」が起源と言われています。

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「かまくら」の語源
「かまくら」の語源には諸説あります。
 
1.竈のカマから発した
 「カマド説」

「かまくら」の原型は、竈型 (かまどがた) でした。形ばかりでなく、
「小正月」にはこの竈を使って、
正月用の注連縄などを焼いたことから、
「かまど」を語源とする説。
 
2.鎌倉大明神を祀ったことから名付けられた
 「鎌倉大明神説」
古い書物には、「かまくら」の近くに
「鎌倉大明神」の旗が立てられていた絵があり
この「鎌倉」が語源になったと言われています。
 
3.神座・神倉の「カミクラ」が転訛した
「カミクラ説」
 
雪室(ゆきむろ)は神様の御座所(おまわしどころ)
即ち神様のおいでになるところ、
「神座」(かみくら) であることから、
この「かみくら」が「かまくら」に
変化したという説。
 
4.鎌倉権五郎景政を祀った
 
「後三年の役」で、弱冠16才という若さで
右目に矢を受けながらも勇敢に戦った
鎌倉権五郎景政 (かまくらごんごろうかげまさ)
祀ったことから、「かまくら」となったという説
 
 
5. 鳥追い歌の歌詞から
かつて子供達が歌っていた鳥追いの歌の中に、
「鎌倉殿」という歌詞があることから
「かまくら」となったという説。
 

全国のかまくら祭り

秋田県横手市
横手の雪まつり「かまくら」
 
「かまくら」の発祥の地、
秋田県横手市では、
毎年2月15日、16日に
「横手の雪まつり」が開催され、
約450年の伝統を誇る小正月行事
「横手のかまくら」が行われます。
市内には「かまくら」が80基程が作られ、
水神様をお祀りした「かまくら」の中には
子供達入って火鉢で餅を焼いたり、
道行く人に
「入ってたんせ(かまくらに入って下さい)」、
「拝んでたんせ(水神様を拝んで下さい)」と
声掛けをして、
「あまえこ(甘酒)」や餅を振る舞います。

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秋田県美郷町
「六郷のカマクラ」
「六郷のカマクラ」は、
700年余りの歴史を持つ小正月行事、
「吉書始め」の遺風を今に残す一連の行事で、
「天筆まつり」「鳥追い行事」「竹うち」と
続きます。
 
 
特に最終日の「竹うち」では、
町の男達が南軍・北軍に別れて
長さ7mもある竹で勇壮に打ち合い、
北軍が勝てば豊作、
南軍が勝てば米の値が上がると
言われています。
 
 
昭和57(1982)年に国の重要無形民俗文化財に
指定されています。
 

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秋田県仙北市角館町
「火振りかまくら」
 
秋田県仙北市角館町では、
毎年2月13、14日夕方から、
小正月行事「角館の火振りかまくら」が
町内毎に開催されます。
 
 
1m程の縄を付けた「炭俵」に火を点け、
その縄の先端を持って、
自分の体の周囲を振り回して、
田んぼの厄を払うとともに、
無病息災・家内安全を祈願するものです。
 
 

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山形県米沢市
小野川温泉かまくら村
毎年冬になると、
米沢市内にある「小野川温泉」に
高さ約3m、直径約5mの巨大かまくらが作られ
「かまくら村」が出現します。
 
 
「かまくら」は大人6人が楽々入れるほど広く、
テーブルと椅子があります。
そして近隣飲食店のメニュー表があり、
米沢ラーメンなどを出前することが出来ます。
 
小野川温泉は、化粧水にも使用されている
「メタケイ酸」を多く含む「美肌の温泉」です。

onogawa.jp

 
新潟県魚沼地区
ほんやら洞まつり
 
新潟県魚沼地方では、
「かまくら」のような雪洞のことを
「ほんやら洞」と言います。
「ほんやら洞」は「かまくら」よりも大きいのが特徴です。
 
 
まず降り積もった雪を割るよう雪をかき、
出来た空間の手前に投雪機で雪を投入して
雪の壁を作ります。
この「雪の壁」を利用して大きな空間を作り、
屋根の代わりに、ブルーシート等で覆います。
 
 
平成4(1992)年からは、
冬季休眠する畑と雪を活かして、
ほんやら洞まつり」がスタートしました。
 
雪原に約5000個もの小さな
「ほんやら洞(かまくら)」がズラリと並び、
夜には各ほんやら洞にキャンドルが灯ります。
 

www.ojiyakanko.com

 
栃木県日光市
湯西川かまくら祭
日光市の湯西川温泉で行われる冬の風物詩「かまくら祭」。沢口河川敷ミニかまくら会場の「ミニかまくら」は、「日本夜景遺産」にも認定されています。
 
平家落人の里と言われる「湯西川温泉」では、令和7(2025)年1月31日から3月2日に、
湯西川かまくら祭」が行われ、
期間中の金・土・日曜日には、
数百個のミニかまくらに
ロウソクの火が灯されます。
 
「日本夜景遺産」に認定されている他、
令和5(2023)年には「関東三大夜灯」、
「栃木七灯」にも認定されています。

www.nikko-kankou.org

 
長野県木曽町
「開田高原かまくらまつり」
令和7(2025)年2月8日(土)、長野県木曽町にある
「かまくらまつりinマイア-こども雪まつり-」
が開かれました。
 
 
そりすべり、宝さがし、スノーモービル体験、
スタンプラリーなど盛りだくさんのイベントや この日限定のキッチンカーや屋台の出店も
あります!
 
 
長野県飯山市
かまくらの里
長野県の最北部で、
新潟県との県境に位置する飯山市信濃平は、
例年、常に2m程の積雪がある豪雪地帯として
知られています。
 
飯山市では、スキー場の閉鎖に伴って
令和2(2020)年に「かまくらの里」をオープン。
その後、毎年1月下旬から2月下旬までの
約1ケ月間、冬期限定で開催されます。
 
 
「かまくらの里」には、
高さ3m程の大きな「かまくら」が
15~20基の並びます。
「かまくら」の中では
地元産野菜を入れた信州味噌仕立ての名物
「のろし鍋」が食べられる他、
周辺でアクティビティを楽しんだりすることが
出来ます。
 
 
また夕方には、まだ空が少し明るい頃から、
「かまくら」には明かりが灯り始め、
少し青っぽく見えるこの風景を
「かまくらブルー」と呼ぶそうです。
 
また毎年2月の第2土曜・日曜には、
「かまくら祭り」も開かれ、
赤い鳥居に、御神体もある
「かまくらの神社」も建てられます。

kamakuranosato.net

 
岐阜県高山市
中尾かまくらまつり
岐阜県高山市の温泉地「中尾温泉」では
白山神社では、2月1日から10日、
中尾かまくらまつり」が開催されます。
 
白山神社の境内には、大小様々、
中に本格的な囲炉裏が用意してあったり、
バーを設けたりと、
様々な「かまくら」が登場します。
お餅つきのイベントも行われます。
 

nakao-onsen.com