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早春の寒さに関する言葉


暦の上では「」が明けて、
「春」を迎えてはいるものの、
まだまだ寒い日が続きます。
 
 

早春(そうしゅん)

 
大正2(1913)年に発表された唱歌『早春賦』に
「♫ 春は名のみの風の寒さや」とあるように、
「早春」(そうしゅん)とは、
暦の上では「春」でも、「立春」間もない頃の
まだ「冬」の名残りの寒さが続いている頃を
言います。
二月いっぱいはそんな日が続きます。
 
空気がピーンと張り詰め、色彩の乏しかった
川の流れや山々の様子などに
春の気配、息吹を見つけることが出来るのも
この頃です。
 
 
「早春」の寒さを表す言葉には、
「余寒」 (よかん)  、「春寒」(はるさむ)
「冴返る」(さえかえる)、「遅春」(ちしゅん)
などがあります。
 
余寒(よかん)
立春」が過ぎて、
日差しは日毎に強くなっていくのに、
寒さが残っていることを
「余寒」(よかん)と言います。
 
寒さの中で相手を気遣うために出す挨拶状の 「寒中見舞い」も「立春」を過ぎたら、
余寒見舞い」に変わります。
 

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春寒(はるさむ)
 
「春寒」(はるさむ)も「立春」以降の寒さ、
早春の寒さのことを言います。
春になって一度暖かくなった後に
戻ってきた寒さのことです。
こうした気候を経て、本格的な春に少しずつ
近づいていきます。
 
「春寒料峭」(しゅんかんりょうしょう)という
四字熟語があります。
「料峭」(りょうしょう)とは「肌寒い」という意味で、
春になって暖かくなった後に寒さが戻ってきて、
春の風が冷たく感じるという意味です。
 
冴返る(さえかえる)
 
「冴返る」(さえかえる)
「余寒」「春寒」と同じく早春の寒さを言い、
「立春」を過ぎてようやく春めいた頃、
再びぶり返す寒気のことを言います。
一度暖かさを経験しただけに、
より冴え冴えとしたものを感じさせます。
 
「冴」には、「刺すような寒さ」
「しみ入るような寒さ」という意味があり、
寒気のぶり返しの中でも
特別に寒さが厳しい日を思わせます。
 
遅春(ちしゅん)
 
暦の上では「春」に入っているものの、
実際の気候はまだ肌寒く、
花の開花も遅れていて、なかなか実感として
「春」がやってこない状態を言います。
 

春浅し(はるあさし)

立春」は過ぎたものの、
まだ風は冷たく、本当の春には程遠く
寒さにひるむような思いで過ごす
春の初めの頃を
「春浅し」(はるあさし)と言います。
 
「早春」とほぼ同義の季語に、
正岡子規の一派が使い始めたと言われ、
割合新しい感覚の言い回しだそうです。
 

三寒四温(さんかんしおん)

 
冬に、寒い日が三日ほど続くと、
その後四日間くらいは暖かい日が続くことを
「三寒四温」(さんかんしおん)と言います。
 
春の足音を感じさせる言葉ですが、
「三寒四温」という言葉は「冬」の季語であり、
辞書の記述も大抵そうなっています。
気象庁も「冬」 と定義していて、
解説用語には次のように記されています。
 
冬期に3日間くらい寒い日が続き、次の4日間くらい暖かく、これが繰り返されること。
中国北部、朝鮮半島などに顕著な現象。