「かみなりすなわちこえをはっす」
と読みます。
春の訪れとともに、恵みの雨を呼ぶ雷が
遠くの空で鳴り始める頃です。
「立春」以降に鳴る雷のことを
「春雷」(しゅんらい)または「春の雷」(はるのらい)
と言います。
「春雷」は春の到来を伝えると言われ、
冬眠していた地中の虫達が
雷鳴に驚いて目覚めるという意味から
「虫出しの雷」とも呼ばれています。
春の雷である「春雷」(しゅんらい)は
夏の雷である「熱雷」(ねつらい)とは
成り立ちが違います。
夏の雷「熱雷」(ねつらい)は、
熱せられた上昇気流によって形成された
「積乱雲」による雷です。
一方「春雷」(しゅんらい)は、
低気圧に伴う寒冷前線が移動する時に
大気が不安定になることで発生する雷である
「界雷」(かいらい)の一種で、
雹(ひょう)を伴うこともあるので、
注意が必要です。
先人の言葉に「雷の多い年は豊作になる」
というのがあります。
雷の光が稲を育てて実りをもたらすと
信じられていたのです。
そのため「雷」は、
「神鳴り」あるいは「鳴る神」とも書きます。
この言葉の背景には、きちんとした理由がある
ようです。
植物の成長に欠かせない三大要素は、
「窒素(N)」「リン酸(P)」「カリウム(K)」
です。
これらを外部からバランスよく施すことが、
稲の収穫量を上げる上で大切になります。
雷の放電現象によって、
空気中の「酸素」や「窒素」が
イオン化されます。
これらのイオンが雨に溶け込んで、
大地に天然の肥料を提供してくれます。
空気の成分の大部分は「窒素」なので、
天然水で程良く希釈された窒素肥料が
十分に供給されるので、
豊作となるのだそうです。