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12月9日に行われる「大黒様のお歳夜」(だいこくさまのおとしや)とは

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庄内地方 (鶴岡市と酒田市が二大都市) を始め
隣接する東北や新潟などでは、
年の暮れが近づくといろいろな神様の
「お歳夜(年越し)」を祝い、
いろいろな神様の歳夜に料理を供え、
家族共に同様の物を食べます。
 ・えびすさまの年夜(12月3日と5日)
  
  白いまま(白米飯)を炊き、
  煮物をつくります。
 
 ・山の神の歳夜(12月12日)
 
  白い餅
 
 ・大黒様のお歳夜(12月9日)
  
  まっか大根 (二股大根)、
  豆料理、鰰 (はたはた) の田楽
 
 ・観音様の歳夜(12月17日)
  
  精進料理、切山椒
 
 
12月9日は「大黒様の歳取り (年越し) 」を祝い、
先祖を祀る日として、
農家は今年の収穫への感謝と来年の豊作を、
商家は今年の収入への感謝と来年の商売繁盛を
願って、豆と大根料理づくしの御膳を作り、
家の中にお祀りしている大黒様にお供えします。
 
お供えを下げたものはその家の主人が食べて、
家族も同じメニューの料理をいただきます。
 
なお、大黒様が奥さんを迎えた日だそうで、
「大黒様の嫁取りの日」とも言われています。
 
 
お供えする膳の献立は決まっていて、
「豆炒り」「黒豆を入れた大根のなます」
「納豆汁(芋がら入り)」「黒豆ごはん」
「焼き豆腐の田楽」と
「子持ち鰰 (はたはた) の田楽」と
豆づくしの御馳走です。
 
 
これをお膳に並べ、
子孫繁栄と健康の願いを込めて、
大黒様にお供えをします。
 
 
「豆」は、「忠実(まめ)」に通じ、
"マメ" に働けるようにとか
子孫繁栄の意味が込められています。
 
「鰰」(はたはた) は、「ブリコ」と言われる
大量の卵を抱えているため、
「子孫繁栄」の意味があります。
 
 
 
更に神棚に「まっか大根(二股大根)」と、
「米炒りの入ったお財布」をお供えすると、
大黒様がお金を増やしてくれるそうです。
 
 
この日、庄内地方の鶴岡市、酒田市などの
鮮魚店では、早朝からハタハタが焼かれます。
またスーパーなどには数日前から
「ハタハタの田楽」と豆料理や、
「大黒様のお年夜」用のセットが売られます。
古くは家庭で作ったものでしたが、
今では鮮魚店・スーパーなどで買うものと
なっています。
 

大黒様とまっか大根のお話

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<大黒様とまっか大根のお話・1>
大黒様は餅が大好きだったそうです。
ある時、餅をたらふくご馳走になり、
家に帰る途中腹痛を起こしました。
川端で大根を洗っていた嫁に
「一本下さい」と頼みましたが、
嫁は姑から大根の本数を数えて渡されているので、
あげることが出来ず困りました。
ただ大根の中にあった、「まっか大根」(二股大根)の一方をかき取ってあげました。
大黒様はもらった大根で腹痛を治すことが
出来たので、大層喜ばれたそうです。
このことから、毎年大黒様に
「まっか大根」を供えることにしたそうです。
また、まっか大根は大黒様のお嫁さんだと
も言われています。
 
<大黒様とまっか大根のお話・2>
昔々、餅を食べ過ぎた大黒様はお腹が痛くなり、
川で大根を洗っていた女の人に
消化を助ける大根を一本分けて欲しいと
頼みました。
しかし、この大根は旦那様に上げるもので
お分けすることは出来ませんと、
断られてしまいました。
困った大黒様でしたが、その女の人は近くの畑から
二股に分かれた大根を掘ってきて、その片方を
大黒様に、もう片方は旦那様に差し上げました。
大黒様はその大根を食べ腹痛が治り、
女の人も旦那様に大根を差し上げることが
出来たので叱られることはなかった、
めでたしめでたし。