庄内地方を始め、東北や新潟などでは、
12月9日に「大黒様の年越し」を祝う祭りが
神社の祭ではなく、各家庭でお祀りします。
七福神の一つにも数えられる大黒様の年越しのお祭りで、
「大黒様の嫁取りの日」とも言われています。
床の間や神棚周辺に
大黒様の掛軸や御神像を祀り、
ご馳走をお供えします。
豆ごはんに納豆汁、豆腐田楽といった
「豆尽くしのご馳走」に、
ハリハリ漬、数の子醤油漬、豆なます、
そして「ハタハタ田楽」、
それに「まっか大根」(二股大根)を供え、
豊作と子孫繁栄を願いお祀りする習慣が
今でも続いております。
「豆」は、「忠実(まめ)」に通じ、
元気とか子孫繁栄の意味が込められている
「ハタハタ」は、「ブリコ」と言われる
大量の卵を抱えているため、
子孫繁栄の意味がある
<大黒様とまっか大根のお話・1>
大黒様は餅が大好きだったそうです。ある時、餅をたらふくご馳走になり、家に帰る途中腹痛を起こしました。川端で大根を洗っていた嫁に「一本下さい」と頼みましたが、嫁は姑から大根の本数を数えて渡されているので、あげることが出来ず困りましたが、大根の中にあった、「まっか大根」(二股大根)の一方をかき取ってあげました。大黒様はもらった大根で腹痛を治すことが出来たので、大層喜ばれたそうです。このことから、
毎年大黒様に「まっか大根」を供えることにしたそうです。また、まっか大根は大黒様のお嫁さんだとも言われています。
<大黒様とまっか大根のお話・2>
昔々、餅を食べ過ぎた大黒様はお腹が痛くなり、川で大根を洗っていた女の人に消化を助ける大根を一本分けて欲しいと頼みました。しかし、この大根は旦那様に上げるものでお分けすることは出来ませんと、断られてしまいました。困った大黒様でしたが、その女の人は近くの畑から二股に分かれた大根を掘ってきて、その片方を大黒様に、もう片方は旦那様に差し上げました。大黒様はその大根を食べ腹痛が治り、女の人も旦那様に大根を差し上げることが出来たので叱られることはなかった、めでたしめでたし。