高々と爽やかに澄み渡った秋空に
よく見られる雲としては、
「鱗 雲｣｢鰯 雲｣｢鯖 雲｣などと呼ばれる
「巻積雲」(けんせきうん) 、
「羊雲」などと呼ばれ、巻積雲よりも
やや大きくて厚みがある
「高積雲」(こうせきうん)
白いペンキを刷毛でサッと刷いたような
「巻雲」(けんうん) 、
です。
これらの雲は、
空の高い位置に出来る特徴があり､
また秋は他の雲が出来にくいため、
高い位置に出来る
これらの雲が目立つことから、
秋は空が高く見えます。
鱗 雲、鰯 雲、鯖 雲
「鱗雲」(うろこぐも)､「鰯雲」(いわしぐも)､
「鯖雲」(さばくも) は、いずれの雲も、
その名前の通りの見た目になっているものを
指します。
・鱗雲（うろこぐも）
魚の鱗 (うろこ) のように
細かな雲片が集まっているもの。
・鰯雲（いわしぐも）
鰯 (いわし) の群れのように見えるもの。
古くから、鰯雲が出ると鰯が
大漁になる兆しと言われている。
・鯖雲（さばぐも）
鯖 (さば) の背の模様のように
波状になっているもの。
鯖雲は秋鯖の漁期と重なることから、
その名が得られたと見られる。
これらの雲は、気象学では、
「巻積雲」(けんせきうん) とか
「波状雲」(はじょううん) と呼ばれ、
小さな塊状の白い雲が
小波 (さざなみ) のように規則正しく並んでいて、
雲の層が薄く太陽の光が透けるため、
影が出来ないことが特徴です。
特に秋によく見られる雲なので、
秋の季語になっています。
また、低気圧や秋雨前線が近づいている時に
現れることが多いため、
天気が下り坂で雨が降る前兆とも言われます。
自然現象や生物の様子などから
天候を予測する諺 (ことわざ) のような伝承を指す
「観天望気」(かんてんぼうき) でも
「鱗雲が出ると天気が一変する」と
言い伝えられています。
羊雲（ひつじぐも）
小さな塊状の雲が集まって、
まるで羊の群れのような見た目をしている
「羊雲」(ひつじぐも) は、
高度5,000m前後に出現する雲です。
気象学では「高積雲」(こうせきうん) と言います。
羊雲が群がり集まった様子から
「叢雲」(むらくも)とも呼ばれています。
「鱗雲」などの「巻積雲」(けんせきうん) に
よく似た見た目ですが、
一つ一つの塊は「巻積雲」より大きいことから
雲の層が厚いため影が出来やすく、
グレーがかって見えることもあります。
「羊雲」も秋によく見られることから、
秋の季語になっています。
また、低気圧や秋雨前線が近づいている時に
現れる傾向があることから、
天候悪化の前触れと言われています。
筋雲（すじぐも）
「筋雲」(すじぐも) は、刷毛でサッと
掃いたような繊維状の見た目の雲で、
気象学では「巻雲」(けんうん) と呼ばれます。
空気が澄んでいる秋に見やすい雲の一つで、
雲の中でも最も高い所、
高度5,000～1万3,000m程度の所に出現します。
ほとんどが氷の結晶で出来ています。
上空の風が強い時に出現しやすく、
真っ直ぐ筋が引いている時は
良いお天気が続くとされていますが、
先端が鍵状に曲がっている時は
天候が悪化する前兆と言われています。
