七夕にまつわる昔話に
「羽衣伝説」(はごろもでんせつ)があります。
天女が地上に降り、川で水遊びをしていると、
村の若者が天女の羽衣を隠してしまいます。
羽衣がなく、天井に帰ることが出来なくなった
天女は、若者に嫁ぎ、一緒に暮らします。
三年が経った頃、若者がつい羽衣の隠し場所を
しゃべってしまいます。
そして天女は羽衣を着けると、
「もし、もう一度私に会いたかったら、
百足の草履を作って、
糸瓜の周りに埋めて下さい。
瓜の蔓が一晩で天まで届くから、
それにつたって辿り着けます。」
と天女は言い残して天に帰ってしまいました。
若者は99足しか草履を作れなかったせいで、
蔓は伸びたものの、
天まであと少し届きませんでした。
その時、一緒についてきた飼い犬が
ピョンと天へ辿り着き、尻尾を垂らしたので
若者も天に到着します。
こうして天女に再会することが出来ました。
その天女を「七夕さん」、若者を「犬飼さん」と呼んだとか。
天で再開した二人ですが、
若者がうっかり禁を破り、
瓜を縦に二つに割ってしまったことから、
大水が天を流れ、天の川となって
二人は年に一度しか会えなくなった、
と言う逸話が付け加えられることも
あるようです。