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コツコツと

「暑気払い」に効く飲食物

暑気払い」とは、夏場の暑さに負けないように様々な方法で体の熱を取り去り、
夏を元気に乗り切ろうとする日本の風習です。「暑気払い」におススメの飲食物を
ご紹介します。

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氷(かき氷、氷菓子、氷料理)

 
「暑気払い」に食べたい冷たいものと言えば、何といっても「かき氷」ですね。
清少納言の『枕草子』にも登場するほど
歴史は古く、平安貴族がかき氷を
「暑気払い」に食べていたことが分かります。
冷蔵庫のなかった時代、
夏に「氷」を利用するためには、
冬に氷を切り出して「氷室ひむろ」に蓄えて
おかないといけません。
江戸時代には、6月1日の
「氷室の節句(氷の節句)」に
加賀藩から江戸城に氷を献上していたほど、
氷は貴重なものでした。
 
 

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(そうめん、冷麦、麦こがし、麦茶、ビール)

 
6〜7月に収穫される「麦」は、
夏バテ予防や夏の体調管理に役立つ
「暑気払い」の定番食材です。
 
 
 
食物繊維が豊富で腸の機能を整えてくれる他、
食後血糖値の上昇を抑え、
コレステロール値低下を促す効果もあります。
栄養価も高く、食欲が落ちる暑い時期に
「夏バテ」を防いでくれます。
 
そうめん
 
夏の食べ物の定番「そうめん(素麺)」。
つるっと食べやすく、喉越しも良くて、
食欲の低下しがちな暑い夏は
「そうめん」の出番ですね。
お中元やお盆の供物に
「そうめん」を贈るようになったは、
「暑気払い」にも通じるからという説も
あります。
 
 
食べる際は、是非、薬味も色々添えて下さい。
「ネギ」は、ビタミンB1の吸収を助け、
疲労回復効果もあります。
「ショウガ」は、殺菌力が強く、
消化吸収を高めてくれます。
「大葉」や「ミョウガ」は、
清々しい香りが食欲を高めてくれます。
更に、最近「スーパーフード」として注目の
「スプラウト」を入れれば、
手軽に栄養補給することが出来ます。
 
 
ところで7月7日は「七夕・そうめんの日」です。
これは、素麺の原型と言われる「索餅」を
「七夕に食べると疫病にかからない」とする
古代Chinaの故事から来ています。
 
7月7日に熱病で亡くなった帝の子供が
霊鬼神となって熱病を流行らせましたが、
生前にその子の好物だった
「索餅」(さくべい)をお供えしたところ、
その熱病が収まったというものです。
 
 
「索餅」が時代と共に形を変え、
日本に伝わって「そうめん」に変化すると、
7月7日に「そうめん」を食べると
1年間無病息災で過ごせると言われるように
なりました。
 
冷や麦
 
「冷麦」(ひやむぎ)も「そうめん」同様、
冷たくすると喉越しがよく、
食欲がなくても食べやすいことから、
特に夏場に重宝されてきました。
うどんより細いため、茹で時間が短く
暑い夏でも調理しやすいのが魅力です。
 
 
「冷麦」の起源は、室町時代に登場した
うどんを細く切った作った
「切麦」(きりむぎ)です。
この「切麦」を冷やして食べるのを「冷麦ひやむぎ」、
茹でて熱いうちに食べるのを「熱麦あつむぎ」と呼び、
今の「冷麦」に繋がっているそうです。
 
 
江戸時代は、「冷麦」も「そうめん」と
同じくらい食べられていました。
当時は、生地を薄く延ばして
畳んで切ったものが「冷麦」で、
手延べで細くするのが「そうめん」でした。
 
 
現在両者は、「太さ」で分類されています。
消費者庁の「食品表示基準」によると、
「乾麺(機械製麺)」を次のように分類しています。
 ・そうめん:直径1.3mm未満
 ・ひやむぎ:直径1.3mm以上、1.7mm未満
但し、「手延べ」は、1.7mm未満であれば、
「冷麦」「そうめん」どちらでも名乗って
よいそうです。
 
麦こがし(はったい・麦香煎・麦落雁)
大麦や裸麦の新麦を炒って粉にしたものを
「麦こがし」とか「はったい」「麦香煎」
「麦落雁」と言います。
砂糖を入れてそのまま食べたり、
湯や水で溶いて食べます。
焙煎した麦の香ばしい風味が特徴的です。
昭和50年代くらいまでは、
「麦こがし」で作ったおやつは
子供達の定番でした。
 
麦茶(むぎちゃ)
 
大豆を煎って煎じた夏の飲み物です。
ノンカフェインのため、
寝る前でも時間を気にせず楽しめ、
妊娠中の方でも安心して飲むことが出来ます。
ミネラルが含まれる他、
リラックス効果や血流改善の効能があります。
 
 
江戸時代の天保年間に麦湯売りの屋台が出現、
明治になると家庭でも作られるように
なりました。
 
ビール
 
現代の「暑気払い」に欠かせない
ビールの原料は、まさに麦(大麦)。
体を冷やし、利尿作用により不要なものを
体から出してくれる優れものです。
ですが、飲み過ぎには注意!
 

夏野菜

 
西瓜・茄子・胡瓜・トマト・ゴーヤなど
「夏野菜」は生でそのまま食べられるものも多く夏に摂りたい栄養素を手軽に補給出来ます。
 
基本的に、水分やカリウムを
豊富に含んでいるものが多いことから、
夏バテや熱中症の予防、利尿作用による
むくみの解消に効果的と言われています。
 
更にビタミンも豊富なので、
紫外線から肌を守ったり、
胃腸を整えたりする作用も期待出来ます。
 
ウリ(西瓜すいか胡瓜きゅうり冬瓜とうがん苦瓜にがうり南瓜かぼちゃ
 
「ウリ」は、総じて栄養価が高く、
体力が衰える夏場に効果的な上、
冬まで保存すれば、
健康維持に役立てることが出来ます。
 
西瓜すいか胡瓜きゅうりは体の熱を下げ、
利尿作用で余分な水分を出してくれます。
苦瓜にがうり(=ゴーヤ)はビタミンCが豊富で、
夏バテ防止にもピッタリ。
冬瓜とうがんは、冬までもつことからその名がつき、
古くから「暑気払い」に効く食べ物として
重宝がられていました。
南瓜かぼちは栄養豊富で糖質も多いのが特徴で、
保存性が高いため、
「冬至」に食べる風習も生まれました。
 
 
体のバランスを取るには、冷やすだけでなく、
温めることも大事だとされているので、
温かい料理をいただくことも大切です。
 
西瓜(すいか)
 
スイカは90%が水分で、
一切れで30~40kcal程度と低カロリーですが、
実は素晴らしい栄養を持っています。
まず、カリウムが豊富。
更に、免疫反応の活性化、細胞増殖を促進する「L-シトルリン」というアミノ酸が豊富です。
 
胡瓜(きゅうり)
 
「キュウリ」のほとんどは水分で、
カリウムを多く含んでいることから、
夏バテ予防に最適な食材です。
 
カリウムは体内の余分なナトリウムの排泄も
促すため、血圧を下げる作用の他、
血液をアルカリ性にする働きもあります。
 
「夏バテ」というのは、
カリウムが汗とともに失われて起こる
「低カリウム血症」が原因なことが多いとも
言われています。
 
 

冷や汁

 
夏のご当地メニュー「冷や汁」は、
ダシや味噌で味付けをした汁物料理で、
暑い夏でも食が進む一品です。
 
「冷や汁」は、山形県、新潟県、埼玉県、
静岡県、宮崎県など、全国各地にがあり、
それぞれレシピも個性豊かです。
 
宮崎県の「冷や汁」は、焼きほぐした鯵と
麦味噌をペースト状にしたものを
冷たい出汁で溶いた中に、胡瓜・茗荷・豆腐などを加え、最後にゴマをまぶしたものです。
冷やしておくと美味しさ倍増。
香ばしい香りが食欲を掻き立ててくれます。
 

甘酒

 
夏に冷たく冷やした「甘酒」も美味。
近年は「飲む点滴」などと名付けられ、
疲れの溜まりやすい夏にオススメの飲み物
として注目されています。
 
「水分」」糖分」「塩分」が3拍子揃っている
「甘酒」は熱中症を予防するのにピッタリ。
また、アミノ酸やブドウ糖のなど、エネルギーの生成を助ける成分を効率良く摂取出来るため
夏の疲労回復に役立ちます。
 
 

梅ジュース

 
梅の収穫期は6月頃です。
その頃から「梅酒」を漬け始める方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
「梅酒」が飲めるようになるまでは
2~3カ月かかるため、
飲み頃は秋口以降になります。
 
 
同時に「梅シロップ」も漬けておけば、
こちらは2週間程で飲めるようになります。
「梅シロップ」は、梅酒を作る時のレシピから
「ホワイトリカー」を除いた、
同量の梅と氷砂糖だけで作ることが出来ます。
酢を少し入れてもOKです。
梅にはクエン酸が豊富に含まれているため、
夏の疲れを吹き飛ばしてくれます。
冷たい炭酸水や水で割れば、
爽やかな酸味を楽しむことが出来ます。
 
 

冷やし飴

 
関西・四国エリアではお馴染みの
麦芽由来の自然で優しい甘みの「冷やし飴」。
麦芽の水飴と生姜の絞り汁だけで作られた
「日本版ジンジャーエール」です。
 
 
江戸時代の大阪には「あめゆ屋台」があり、
暑気払いの滋養飲料として、
温かい状態で提供されていました。
明治以降になり製氷技術が発達し
「冷やし飴」となり、気軽な清涼飲料として
親しまれるようになりました。
 

枇杷葉茶

 
「枇杷」(びわ)は、梅雨の時に
オレンジ色の瑞々しい果実を実らせます。
 
 
その葉っぱを煎じたお茶は、「暑気払い」の
飲み物として古くから知られています。
漢方では「枇杷葉」(びわよう)と呼ばれ、
生薬として使われています。
煎じると清々しい香りがあり、
ノンカフェインの爽やかなお茶になります。
 
  
江戸時代の行商人を描いた曲亭馬琴の
『近世流行商人狂哥絵図』には、
「びわようとう~(枇杷葉湯)、
 第一暑気払い…」と言いながら
びわ茶を売り歩く姿が描かれています。
 
 

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土用の丑の日「鰻」(うなぎ)

 
夏バテ防止の食べ物と言えば「鰻」(うなぎ)
令和5年の「土用の丑の日」は7月30日です。
江戸中期、平賀源内が「本日土用の丑の日」と
張り紙をしたことから人気になったという説がよく知られています。
ただ、1200年前の『万葉集』に既に
登場しているばかりでなく、
縄文時代の遺跡「浦尻貝塚」(福島県相馬市)から
魚の骨や貝殻などと一緒に
鰻の骨も見つかっていることから、
実際はもっと古くから
身近な食べものだったようです。
 
 
「鰻」(うなぎ)は、
ビタミンA、B群、E、Dなどが豊富で、
特にビタミンAは、100g食べれば
成人の一日に必要な摂取量に達する量です。
 

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