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コツコツと

「夏の土用」の食い養生

 
夏の土用」は、一年で最も暑さが厳しいと
される時期であり、梅雨明けも重なります。
 
体に一番負担の掛かるこの時期だからこそ、
滋養のあるものを食べると言われる
「食い養生」の風習が生まれました。
時代が変わっても、「土用の食い養生」の知恵は
今でも私達の生活に役立てるものです。
 
 

土用鰻

特に夏の「土用の丑の日」に食べる
「うなぎ」は有名ですね。
令和5(2023)年の「土用の丑の日」は、
7月30日(日)になります。
 

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土用蜆(どようしじみ)

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「土用の丑の日」に「鰻」(うなぎ)を食べる
習慣が始まったのは江戸時代末期ですが、
土用蜆」はもっと古くから伝わる
食習慣です。
 
「蜆」(しじみ)の旬は夏。
産卵を控えて、豊富な栄養を蓄えている時期であり、夏バテ防止に適した食材として
夏の土用」に食べられていました。
土用しじみは腹の薬」と言われていました。
 

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土用卵(どようたまご)

 
卵は完全栄養食品と言われ、
滋養たっぷりの「スーパーフード」です。
中でも「夏の土用」の時期に産み落とされた「土用卵」は、特に栄養が高いと言われて
います。
夏は暑さで疲労が溜まり、
体調不良になりやすいため、
夏の土用」に精を付けるために
土用卵」を食べるという風習は
江戸時代からあったようです。
 

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土用餅(どようもち)

 
夏の土用」に食べる「あんころ餅」のことを
土用餅(どようもち)と言います。
特に京都や金沢を中心に、
関西および北陸地方で残る風習です。
 
力がつくと言われる「餅」と、
邪気を祓う赤色の「小豆」には
悪病・災難を退けるとされ、
暑さの厳しいこの時期に
小豆を使った餅を食べることで、
無病息災が叶うと言われています。
 

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「う」の付く食べ物

「う」のつく食べ物と言えば、
「鰻」(うなぎ)だけではありません。
精がつくものと言えば、
「牛肉」(うしのにく)や「馬肉」(うまのにく)、
胃に優しいものと言えば、
「うどん」や「瓜」、「梅干し」でしょうか。
 
うどん

 
うどんは喉越しが良く、
暑さで食欲がない時でも食べやすいので、
夏バテを防ぐことが出来ます。
消化吸収も優れているため、
病後や胃腸が弱っている時などの
エネルギー源として最適な食べ物です。
 
うどんは、様々な具材を合わせやすいため、
甘辛く味付けしたお肉と野菜をトッピングした、冷やしうどんはいかがですか。
 
梅干し
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「う」のつくものと言えば、「梅干し」。
「番茶梅干し医者いらず」とか、
「梅はその日の難逃れ」という
言葉があるほど、「梅干し」は昔から体に良いとされてきた食べ物です。
クエン酸がたくさん含まれていますので、
疲労回復にも効果的とされています。
 

 
 
クールベジ・瓜(うり)

 
「ウリ科」の食べ物も最適な食べ物とされて
います。
瓜と言えば、夏が旬を迎える胡瓜(きゅうり)、苦瓜(にがうり・ゴーヤ)、西瓜(すいか)
西瓜(かぼちゃ)、冬瓜(とうがん)、ズッキーニなど、多種多様にあります。
 

 
これらウリ科の野菜には、利尿作用がある
「カリウム」を多く含まれていることから、
今、「クールベジ」として注目を集めて
います。
 

 
「クールベジ」とは、「カリウム」と「水分」を含む夏野菜のことです。
「カリウム」には、水分とともに夏の暑さで
体にこもった熱を体外に放出し、
体をクールダウンさせる効果があることから、
熱中症予防や夏バテ予防に良いとされています。
 

 
また「カリウム」は「ナトリウム」を排出する働きがあるので、体内の水分や塩分のバランスが整えられ、利尿作用が働きます。
この利尿作用のおかげで、むくみや高血圧防止にも役立ちます。
 
スタミナ食品だけでなく、夏を乗り切るためには夏野菜が大切だということを、昔の人はよく知っていたのでしょうね。
 

<関連項目>
暑気払い、暑気払いに効く食べ物

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