うまずたゆまず

コツコツと

「夏の土用」の食い養生

 
夏の土用」は、
一年で最も暑さが厳しいとされる時期であり、
「梅雨明け」も重なります。
 
体に一番負担の掛かるこの時期だからこそ、
滋養のあるものを食べると言われる
「食い養生」の風習が生まれました。
時代が変わっても、「土用の食い養生」の知恵は
今でも私達の生活に役立てるものです。
 
 

土用鰻

特に夏の「土用の丑の日」に食べる
「うなぎ」は有名ですね。
令和6(2024)年の「土用の丑の日」は、
7月24日[水]と8月5日[月]になります。
 

www.linderabell.com

 

土用蜆(どようしじみ)

f:id:linderabella:20220119065021j:plain

「土用の丑の日」に「鰻」(うなぎ)を食べる
習慣が始まったのは江戸時代末期ですが、
土用蜆」はもっと古くから伝わる
食習慣です。
 
「蜆」(しじみ)の旬は夏。
産卵を控えて、豊富な栄養を蓄えている時期であり、夏バテ防止に適した食材として
夏の土用」に食べられていました。
土用しじみは腹の薬」と言われていました。
 

www.linderabell.com

 

土用卵(どようたまご)

 
卵は完全栄養食品と言われ、
滋養たっぷりの「スーパーフード」です。
中でも「夏の土用」の時期に産み落とされた
土用卵」は、特に栄養が高いと言われて
います。
夏は暑さで疲労が溜まり、
体調不良になりやすいため、
夏の土用」に精を付けるために
土用卵」を食べるという風習は
江戸時代からあったようです。
 

www.linderabell.com

 

土用餅(どようもち)

 
夏の土用」に食べる「あんころ餅」のことを
土用餅(どようもち)と言います。
特に京都や金沢を中心に、
関西および北陸地方で残る風習です。
 
力がつくと言われる「餅」と、
邪気を祓う赤色の「小豆」には
悪病・災難を退けるとされ、
暑さの厳しいこの時期に
小豆を使った餅を食べることで、
無病息災が叶うと言われています。
 

www.linderabell.com

 

「う」の付く食べ物

「う」のつく食べ物と言えば、
「鰻」(うなぎ)だけではありません。
精がつくものと言えば、
「牛肉」(うしのにく)や「馬肉」(うまのにく)、
胃に優しいものと言えば、
「うどん」や「瓜」、「梅干し」でしょうか。
 
うどん

 
うどんは喉越しが良く、
暑さで食欲がない時でも食べやすいので、
夏バテを防ぐことが出来ます。
消化吸収も優れているため、
病後や胃腸が弱っている時などの
エネルギー源として最適な食べ物です。
 
うどんは、様々な具材を合わせやすいため、
甘辛く味付けしたお肉と野菜をトッピングした、冷やしうどんはいかがですか。
 
梅干し
f:id:linderabella:20210610053344j:plain
 
「う」のつくものと言えば、「梅干し」。
「番茶梅干し医者いらず」とか、
「梅はその日の難逃れ」という
言葉があるほど、「梅干し」は昔から体に良いとされてきた食べ物です。
クエン酸がたくさん含まれていますので、
疲労回復にも効果的とされています。
 

 
クールベジ・瓜(うり)

 
「ウリ科」の食べ物も最適な食べ物とされて
います。
瓜と言えば、夏が旬を迎える胡瓜(きゅうり)
苦瓜(にがうり・ゴーヤ)、西瓜(すいか)
西瓜(かぼちゃ)、冬瓜(とうがん)
ズッキーニなど、多種多様にあります。
 

 
これらウリ科の野菜には、
利尿作用がある「カリウム」が
多く含まれていることから、
「クールベジ」として注目を集めています。
 
「クールベジ」とは「カリウム」と「水分」を含む
夏野菜のことです。
「カリウム」には、水分とともに夏の暑さで
体にこもった熱を体外に放出し、
体をクールダウンさせる効果があることから、
熱中症予防や夏バテ予防に良いとされています。
 

 
「カリウム」には、
「ナトリウム」を排出する働きがあるので、
体内の水分や塩分のバランスが整えられ、
利尿作用が働きます。
この利尿作用のおかげで、
むくみや高血圧防止にも役立ちます。
 
スタミナ食品だけでなく、
夏を乗り切るためには
夏野菜が大切だということを、
昔の人はよく知っていたのでしょうね。
 

<関連項目>
暑気払い、暑気払いに効く食べ物

www.linderabell.com

www.linderabell.com