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棚機津女(たなばたつめ)

Chinaから「乞巧奠きこうでん」の行事が伝えられる以前から、
日本には「棚機津女たなばたつめ」(機を織る女性)の信仰がありました。
 
毎年稲の開花時期に合わせて、
神様を迎えて豊作を祈り、村の人々の穢れを清める
古代日本におけるみそぎの行事、つまり穢れけがれを清める行事です。
主に農村部で盛んに行われていたと言われています。
 

 
棚機津女たなばたつめ」とは、
人里から離れた水辺の懸造りかけづくり機屋はたやに籠って
機織りをして作神である神様をお迎えする乙女(巫女)のことで、
身体を清めるために沐浴を行いました。
 
または、棚機津女たなばたつめの元を訪れた神が翌朝にお帰りになる際に
人々が水辺で身を浄めると、
一緒に災難を持ち帰ってくれるという説もあります。
 

 
そういったことから、現在でも「七夕」の日に、
女性が髪を洗ったり、水浴び、井戸浚いいどさらいや墓掃除、牛馬を洗うといった
水に関する伝承が日本のあちらこちらで数多く見られます。
 
また「ねぶた祭り」も、
夏の終わりの秋の収穫の前に、
穢れけがれを川や海に流すみぞぎの行事として
「ねぶた」と呼ばれる「灯籠」を流して無病息災を祈る
七夕祭りの灯籠流しの変形であろうと言われています。
 

 
やがて日本に仏教が伝えられ、
棚機はお盆を迎える準備のための行事として
旧暦7月に行われるようになりました。
 

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