「夏の七草」は、
「春の七草」や「秋の七草」のように
古くからあるものではなく、
近年になって選ばれたもので、
複数の種類があります。
- 『夏の七艸考』 楓園 鈴木重瑊 著
- 『懸葵 8巻6号』 つくも生 著
- 『 観賞植物大図鑑 8月巻』 安達潮花 著
- 勧修寺経雄 撰による短歌
- 『週報・447/8合併号』 内閣情報局
- 『植物図絵』 本田正次 著
- 『学習植物図鑑』理科教育研究委員会編
- 『私の植物散歩 』 木村陽二郎 著
- 『雑草の呼び名事典 』 亀田龍吉 著
『夏の七艸考』
楓園 鈴木重瑊 著
(明治37(1904)年)
- 撫子・瞿麦・常夏 (なでしこ)
- 沢瀉・面高・野茨菰(おもだか)
- 夕顔・遍蒲 (ゆうがお)
- 昼顔・旋花 (ひるがお)
- 蓮 (はちす)
- 百合 (ゆり)
- 小薊 (あざみ)
『懸葵 8巻6号』
つくも生 著
(明治44(1911)年年〉)
- 睡蓮 (すいれん)
- 水葵・雨久花(みずあおい)
- 蒲・香蒲 (がま)
- 菱 (ひし)
- 狸藻 (たぬきも)
- 品字藻 (ひんじも)
- 水朝顔 (みずあさがお)

『 観賞植物大図鑑 8月巻』
安達潮花 著
(大正10(1921)年)
- 沢桔梗(さわぎきょう)
- 未草 (ひつじぐさ)
- 星草 (ほしくさ)
- 禊萩 (みそはぎ)
- 水葵 (みずあおい)
- 山椒藻(さんしょうも)
- 田字草(でんじぞう)

勧修寺経雄 撰による短歌
教育者で政治家、華族(伯爵)であった
勧修寺経雄が詠んだ
「涼しさは よしいおもだか ひつじぐさ
はちすかわほね さぎそうの花」が
由来の「夏の七草」です。
- 葦 (よし・あし)
- 井草 (いぐさ)
- 沢瀉 (おもだか)
- 未草 (ひつじぐさ)
- 蓮 (はちす・はす)
- 河骨 (こうほね)
- 鷺草 (さぎそう)

『週報・447/8合併号』
内閣情報局
(昭和20(1945)年6月20日)
日本学術振興会学術部・
野生植物活用研究小委員会選定
次にご紹介する「夏の七草」は、
第二次世界大戦終結直前の
昭和20年6月に紹介された「七種」で、
全て「食用」とされています。
- 藜 (あかざ)
- 莧 (ひゆ)
- 猪子鎚(いのこづち)
- 姫女菀(ひめじょおん)
- 露草 (つゆくさ)
- 白詰草(しろつめくさ)
- 滑莧 (すべりひゆ)
『植物図絵』
本田正次 著
(昭和23(1948)年)
- 莧 (ひゆ)
- 藜 (あかざ)
- 白詰草(しろつめくさ)
- 姫女菀(ひめじょん)
- 滑莧 (すべりひゆ)
- 猪子槌(いのこずち)
- 露草 (つゆくさ)

『学習植物図鑑』
理科教育研究委員会編
(昭和26(1951)年)
- 姫女菀(ひめじょん)
- 白詰草(しろつめくさ)
- 青莧 (あおびゆ)
- 滑莧 (すべりひゆ)
- 露草 (つゆくさ)
- 藜 (あかざ)
- 猪子槌(いのこずち)

『私の植物散歩 』
木村陽二郎 著
筑摩書房(昭和62(1987)年4月)
- 松虫草 (まつむしそう)
- 山百合 (やまゆり)
- 黄菅 (きすげ)
- 釣船草 (つりふねそう)
- 露草 (つゆくさ)
- 草藤 (くさふじ)
- 大待宵草(おおまつよいぐさ)
『雑草の呼び名事典 』
亀田龍吉 著
世界文化社(平成24(2012)年2月)
- 白茅 (ちがや)
- 昼顔 (ひるがお)
- 藪萱草(やぶかんぞう)
- 露草 (つゆくさ)
- 蕺 (どくだみ)
- 三葉 (みつば)
- 野小薊(のあざみ)