この時期は朝晩と昼の寒暖差が大きくなり、
夜の空気が冷やされることで
朝に「露」が出来ます。
その朝露が草や花の上に降りて来て、
白く光って見える頃です。
陰陽五行説では、秋の色は「白」です。
草の露も、秋を象徴するように、
「白」い色に輝きます。
「露草」(つゆくさ) という植物があります。
全国の道端や庭先に普通に見られる秋の草です。
貝の形の小さいけれども
とても鮮やかな青い花を咲かせますが、
この花は早朝に花を咲かせ、
午後には萎んでしまうという特徴から、
「朝露」のようだと捉えられ、
「露草」(つゆくさ) となったそうです。
その特徴的な花の形から、
「蛍草」(ほたるぐさ) や
「帽子花」(ぼうしばな) という別名があります。
また、花の鮮やかな青色から
「青花」(あおばな) とも呼ばれ、
花の汁を衣に擦りつけて染めていたことから
古くは「着草」(つきくさ) とも呼ばれていました。
その後は、花びらから採った青い色の汁で
紙を染めて「青花紙」という製品を作り、
これを水に浸して染み出た色素を
友禅染などの下絵を描くのに用いられて
います。