日本人は、「十五夜」の満月は勿論のこと、
欠けていく月も細やかに愛でました。
日を過ぎる毎に月が次第に欠けていくことを
「下り月・降り月」(くだりづき) と言います。
心待ちにした「十五夜」も過ぎて、
月の出が遅くなるとともに、
姿も次第に欠けて、秋が深まっていきます。
虧月(きげつ)
「虧月」(きげつ)とは、
満月から新月へと
段々欠けている間の月のことを言います。
「虧」とは、欠けること、損なうことを
意味してします。
反対に、新月から満月になるまでの、
次第に円くなっていく間の月は
「盈月」(えいげつ)と言います。
欠けていく月
旧暦 | 月の形 |
月の名前
|
8月16日 | ||
8月17日 | ||
8月18日 | ||
8月19日 | ||
8月20日 | ||
8月23日 | ||
十六夜(いざよい)
「十六夜」(いざよい)は、
新月から数えて16日目の夜、
またはその夜の月のことを指します。
特に旧暦8月16日の月を言います。
立待月(たちまちづき)
「立待月」(たちまちづき) は、
陰暦十七日日の月のことで、
特に陰暦8月17日を言います。
日没後、立って待っているうちに
月が昇ることからそう呼ばれています。
居待月(いまちづき)
陰暦18日の夜の月。
「居待ち」とは座って待つことで、
十七日の月より更に月の出が遅いため、
立って待っていたのでは疲れてしまうから
座って月の出を待つというところから
この名があります。
寝待月(ねまちづき)・
臥待月(ふしまちづき)
19日の夜の月のこと。特に陰暦8月19日の月。
名月から4日も過ぎた19日の月は
そろそろ就寝する頃に出てくる月なので、
「寝待月」(ねまちづき)とも言います。
更待月(ふけまちづき)
陰暦8月20日の月。
夜も更けてからようやく出る月と言う意味です。
亥中(亥の正刻・午後十時)の頃、
東の空に昇ることから
「亥中の月」(いなかのつき)と言います。
二十三夜月(にじゅうさんやづき)
陰暦8月23日の夜中に上る「下弦の月」は、
「二十三夜」とも言います。
月は子の刻(午前零時頃)に出ることから
「真夜中の月」とも言います。
「二十三夜待ち」は、
この二十三夜の月の出を待ち、
「勢至菩薩」(せいしぼさつ)を祀る行事でした。
この日は、人々が集まって酒食や
長話などを楽しみながら
「勢至菩薩」の化身である「二十三夜の月」を
拝したそうです。