12月13日は「正月事始め」と言って、
歳神様を迎える準備を始める日です。
具体的には、
「煤払い(大掃除)」を行ったり、
「松迎え」(まつむかえ) を行ったりするのですが、
近年は「松迎え」を行う人は
ほとんどいないようです。
しかし神聖でとても意義のある行事ですので、
どういう行事なのかをご紹介致します。
「正月飾り」には、
「松」を用いたものが少なくありません。
「松」は「祀る」を語源とする木と言われ、
古くから神の依り代 (よりしろ) として
信じられてきました。
「神を待つ木」とも称される
この神聖な木を飾ることが、
年神様 (としがみさま) を始めとした
縁起の良い神様を呼ぶことに繋がるのです。
正月に関連深い 「松」 と言えば「門松」ですが、
この「門松」など正月飾りに必要な「松」を
12月13日、恵方にある山に伐りに行くことを
「松迎え」(まつむかえ) と言います。
一家の主または新年の干支に当たる年男が
山に饌米 (せんまい) や御神酒を携えて入り、
それを供えて拝礼をした後に、
「松迎え」をしました。
そして「松迎え」から戻って来た後は、
吸い物の特別なお膳を用意して
その労をねぎらったそうです。
なお「門松」は、高さや太さなどが適当で
枝が3段または5段になった「若松・2本」と、
同様の「ソヨゴ・2本」を切って1組とします。
「ソヨゴ」は、常盤木 (ときわぎ) で、
1年中青々として盛木であるところから
「おふくら」とか「福良柴」(ふくらしば)
などと言って縁起の良いものとされますが
一方、本来は榊 (さかき) を用いるのが、
それが少ないので代わりにソヨゴを
用いるようになったという説もあります。
松は松毬 (まつかさ) のついたもの、
ソヨゴは赤い実のなったものがよしとされ、
それに松または栗の若木の杭2本を加えて
一対の「門松」となります。
そして、前夜のうちに準備した縄で括って、
家の近くの清浄な所に
神酒、大豆、柿、田作りなどを供えて、
12月25日から28日の「門松」を立てる時まで、
一時安置しておきます。