「田の神様」は、「農耕の神」として
農民の間で信仰を集めてきました。
日本では古くから米作り農業を基盤として
生活を営んできましたので、
全国的に「田の神信仰」が見られます。
昔、人は死ぬと山へ上がるという信仰があり、
最初の1年を喪に服して過ごしました。
そして1年が過ぎると、死んだ人は
山の神様になると信じられてもいたようです。
つまり、御先祖様は山の神様となって、
里で暮らす子孫を見守っていてくれるという
素朴な信仰です。
毎年春になると、山にいる御先祖の神様を
「田の神様」として田に迎え、
秋の実りまで見守って頂き、
秋にはまた山へ帰るのを見送ります。
そして「正月」には、感謝を込めて
家にお招きしておもてなしをします。
田の神様に祈る行事は、
1年を通じて5回あります。
1回目は、春の農作業に先駆けて
田の神様を迎え、
今年の豊作を「予祝」します。
2回目は、苗代に種もみをまく時。
3回目は、田植え始め。
4回目は、田植えを済ませた時。
5回目が、秋の収穫を終えて、田の神様を送る時
です。