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コツコツと

寒餅(かんもち)

 
昔から、「寒中の水」は
清浄で腐りにくいと言われ、
「寒の水」を汲んで保管しておいたり、
この水を使って「寒餅」を搗いたり、
味噌・醤油・酒などの「寒仕込み」をして
長期保存食を作ってきました。
 
 
「寒餅」(かんもち)とは、
寒さが最も厳しいとされる
「寒中」(かんちゅう)の期間に
搗いた餅のことです。
「寒餅」を食べると、
1年間、健康で過ごせると言われました。
 
 
風に水分を含む海沿いよりも、
主に山間部の農村で受け継がれ、
蔵や軒先でに吊るして約1ヵ月間に渡って
寒風に晒して乾燥させました。
 
 
かつては農村を代表する冬の風物詩でしたが、
今では「寒餅」を作る農家は少なくなって
しまいました。
但し現在は、地域の特産品として
生産されるようになってきていて、
様々な商品が登場しているようです。
 

欠餅(かきもち)

寒中に搗いた「寒餅」を薄く切って干し、
「あられ」や「おかき」などの保存食しました。
 
「煎餅」「おかき」「あられ」
・煎餅
 うるち米の粉や小麦粉を使って、
 型抜きによって形を作り焼いたもの。
 
・おかき
 「かき餅」の丁寧語。
 糯米を搗いて作られたもの。
 または鏡餅を小さく砕いたもの。
 
・あられ
 もち米を蒸して搗いて、賽の眼のような
 小方形に刻み乾燥、焙焼したもの。
 「おかき」よりも小さい。
 
 

水餅(みずもち)

 
水に漬けた餅のこと。
餅はカビが生えやすく、干し割れもするので、水に漬けて保存します。
「寒の水」は腐りにくいとと言われたことから、
寒の内に搗いた「寒餅」を「水餅」として
蓄えました。
 

氷餅(こおりもち)

 
寒中に搗いた「寒餅」を適当な大きさに切り、
紙に包んで藁で括り、
紙で包んで藁で連ねて戸外に出し、
夜、凍らされたもので、
「凍み餅」(しみもち)とも言います。
 
 
一度凍った餅「氷餅」「凍み餅」は、
洋菓子のパイのような層が出来、
とても崩れやすくなります。
信州諏訪地方の名産として知られ、
江戸時代には歴代の将軍への献上品にも
なりました。
 

「寒餅」の食べ方

 
1.オーブントースターで両面焼く
 
  2、3枚を上下返しながら
  約3分から5分で焼き上がります。
 
 
2.電子レンジで加熱する
  
 
  クッキングシートの上に
  「寒餅」を2~3枚置いて、2分加熱すると、
  ぷっくり膨れ上がります。
  固かったら再度30秒程加熱します。
 
 
3.油で揚げて揚げ餅にする
  
 
  揚げたての揚げ餅は、
  そのまま食べても、醤油をかけても、
  砂糖と醤油で甘辛のたれを作り絡めたり、
  塩や醤油、砂糖、きなこなどを
  トッピングしても美味しいです。