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コツコツと

立春前、一月最終の丑の日「寒の土用丑の日」

天然物の「鰻」の旬

夏の土用丑の日」には、「鰻」(うなぎ)
夏バテ・食欲減退防止のスタミナ料理として
一般的に食されています。
 

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しかし実は天然物の「鰻」の本当の旬は、
「夏」ではなく「冬」なのです。
 
 
天然うなぎは、水温が下がり始める10月頃から
冬眠に備えて栄養をたっぷりと蓄え、
12月頃には冬眠に入ります。
そのためこの頃の「鰻」は、脂が乗っていて
最も美味しいと言われています。
 
 
そこで、鰻の収穫量・消費量の多い
長野県岡谷市のうなぎ店などで結成された
「うなぎのまち岡谷の会」が
「立春」前に当たる一月最終の「丑の日」を
「寒の土用丑の日」と定め、
夏の土用丑の日」のように
「寒の土用丑の日」にも
「鰻」を食べるという新しい食文化を築いて、
健康・スタミナを増進して
厳冬期を乗り切っていこうと制定しました。
 

うなぎのまち岡谷

 
天竜川の源となる諏訪湖のほとりに位置する
長野県岡谷市(ながのけんおかやし)は、
古くより、鰻の漁獲量、消費量ともに多く、「うなぎのまち岡谷」としても知られ、
伝統ある鰻の名店が勢揃いしています。
 
 

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ところでなぜ、内陸の長野県岡谷市で
鰻が獲れるのでしょうか?
鰻の名産地と言えば「浜名湖」。
 
 
その昔、静岡の浜名湖
長野県から愛知県、静岡県を経て
太平洋へ流れ込む天竜川では
天然鰻がたくさん獲れました。
 
 
その天竜川の源である諏訪湖では、
古くから淡水漁業が盛んで、シジミも養殖され、
そうした餌が豊富なこの地に、
天竜川から鰻が多く渡ってきたのです。
そうして諏訪湖でたくさんの鰻が獲れ、
諏訪地域に鰻文化が根付くことになったのです。
 
 
なお、岡谷のうなぎの特徴は、
「裂きは背開き関東風、
 焼きは蒸さない関西風」と言われ、
甘辛く濃厚なタレで香ばしく仕上げています。
 
 

www.kanko-okaya.jp

 

天然うなぎと養殖うなぎ

 
天然うなぎの品種は、主に「ニホンウナギ」と呼ばれている「アンギラ・ジャポニカ種」です。
天然うなぎは身体をしっかりと動かしながら
成長するので、身が引き締まっていて、
脂少なめのさっぱりした味わいで、
川魚特有の香りが特徴です。
 
 
一方養殖うなぎは、徹底した水温管理の下で
育てられるので、一年を通して安定した品質を保つことが出来、「旬」というものはありません。
敢えて言えば、日本で一番鰻の需要が高まる
「土用の丑の日」の時期に合わせて養殖された
鰻が「旬」と言えるでしょう。