うまずたゆまず

コツコツと

お彼岸のお墓参り

 
お彼岸と言えば、やはり「お墓参り」ですね。
ただ、中日の「春分の日」「秋分の日」には
「お墓参り」をする方が多いため、
霊園が混雑していることから、
慌てて「お墓参り」を済ませてしまうという
こともあったのではないでしょうか?
 
お彼岸の「お墓参り」は、一般的には、
お彼岸の期間であればいつお墓参りをしても
構いません。
 
また午後にお墓参りをしてはいけないという
風説もあるようですが、
時間のマナーは特にありません。
但し、墓地や霊園で、
お参りの時間が決められている場合は、
そちらに従いましょう。
 
お墓参りのピークを避け、
ご自身の都合の良い日を選んでお参りをすれば
気持ち良く先祖供養が出来るでしょう。
 
 

お彼岸にお墓参りをする理由

 
仏教では、
太陽が真東から上り真西に沈む
春分の日」と「秋分の日」は、
東にある「此岸」(現世)と
西にある「彼岸」(極楽浄土)が最も近くなり、
この時期に供養をすることで
「極楽浄土に通じる=行ける」と
考えられています。
 
普段、仏教の修行を積んでいなくても、
お彼岸に悟りが開けるようにとの願いを込めて、
この期間中に西の太陽に向かって
祈りを捧げることで、
煩悩を払うことが出来るという考えがあります。
 
f:id:linderabella:20201209134306j:plain
 
日本古来からの信仰である
「太陽信仰」が発祥とも言われています。
太陽(日の出)に祈りを行う「日願」(ひがん)
西に極楽浄土があると考える仏教思想と
結びついたと考えられているのです。
 
農耕民族である日本人は、
古来より昼と夜の長さが同じになる
「春分」と「秋分」の日を大切な日として、
「春」は豊穣を祈り、「秋」は収穫を感謝し、
作物を育てる太陽や、自然の全てに感謝して
お供えをしていました。
 
お彼岸は、祖先や自然に感謝を捧げる
仏教精進の期間でもありますが、
実は日本独自のもので、
日本古来の自然信仰と仏教思想、儒教的な
考え方も加わって、
今の「お彼岸のお墓参り」に繋がっているのです。
 

お供え物の基本
「五供」(ごく)

 
お彼岸の時には、
お墓に何をお供えすればよいのでしょうか?
宗派によって多少違いはある中、
供養の際はお墓や仏壇に花を手向け、
香を焚き、お供え物をすることが一般的です。
 
このお供え物は、
「香」「花」「灯燭」(とうしょく)「浄水」
「飲食」(おんじき)の5つからなる
「五供」(ごく)が基本とされています。
 
お供えする前には、
お墓の周りと墓石の掃除を済ませましょう。
その後、お水、供花、
故人が生前好きだった食べ物や飲み物を
お供えし、最後にお線香をあげます。
 
「香」・・・線香
 
「香」とは、「線香」のことです。
良い香りのお線香をお墓に供えることで
「ここに眠る故人は良い方ですので
 極楽浄土へお導き下さい」と
願いを込める意味があるとされています。
 
 
線香の火は息で吹き消すことはせず、
手であおいで消すようにしましょう。
これは、口から直接息を吹きかけるのは
不浄とされているからです。
 
お参りの順番は、故人と縁の深い方から、
もしくは年長者からとなります。
 
「花」・・・供花
 
仏前に手向ける花(供花)は、
生花を用いるのが基本です。
供花として不向きな花は次の通りです。
選ぶ際に注意しましょう。
 
●トゲのある花
●毒性のある花
●香り(悪臭)の強い花
●ツルに咲く花
f:id:linderabella:20220311041731j:plain
 
なお、花はそのままにしてよいのですが、
寺院や霊園によっては
持ち帰りが推奨されているところもあるので、
その場合はルールに従いましょう。
 
 
「灯燭」(とうしょく)・・・ロウソク
 
「灯燭」(とうしょく)とは、
ロウソクに火を灯すことを指します。
ロウソクには、明かりとしてだけではなく、
暗い煩悩を捨て去り、明るい悟りに至ることを
讃える意味があります。
 
 
そしてお墓参りが済んだら、
火消しなどを使って必ず完全に消しましょう。
その際は、お線香などと同様の理由で、
息を吹きかけて消すのはマナーに反しますから
手で仰いで火を消すようにして下さい。
 
「飲食」(おんじき)・・・仏飯
 
「飲食」(おんじき)とは、
仏前に供えるご飯「仏飯」のことです。
 
 
仏壇には、基本的に家族が食べる主食を供え、
朝と夜に自分達が食べる前に
「仏飯器」(ぶっぱんき)に盛り付け供えますが、
お彼岸や命日など特別な日には、
故人の好物や心を込めて作ったお料理を
供えることもよいでしょう。
 
 
但し、「生ぐさもの」と呼ばれる肉類・魚介類、「ニオイのきついもの」は不向きとされている
ので控えるようにしましょう。
 
お墓にお供えする場合は、
お墓の上に直接置くのは避け、
お供え物を置くお盆や台を準備しましょう。
そしてその香りを仏様に楽しんでいただくため、
袋や箱に入ったお菓子は口を開け、
飲み物は蓋を開けてお供えをしましょう。
そしてお墓参りが終わったら、
墓前でいただくか、必ず持ち帰って下さいね。
そのまま残しておくと腐って悪臭を発し、
カラスや猫などの獣害に荒らされる
原因になるため、必ず持ち帰りましょう。
 
持ち帰ったお供え物は、
そのまま食べてしまっても構いませんが、
仏壇にお供えすることも可能です。
 
linderabella.hatenadiary.com
 
「浄水」(じょうすい)・・・水

 
「浄水」(じょうすい)とは、
お墓や仏壇に水やお茶を供えることです。
 
 
仏様に水やお茶や供えるという意味だけでなく、
この行為により自分達の心も浄化されるという
意味があるそうです。
宗派によっては、お茶や水を供えない場合も
あるそうです。
 

仏壇にお祈りするだけでもよい

 
お墓参りをしたくても、
なかなか予定が合わずに
墓前に行けないこともあるでしょう。
お墓に行けない時は、線香を供えて
手を合わせるだけでも問題はありません。
 
大切なのは先祖に感謝し、
その気持ちと向き合うことです。
その場合、いつもより念入りに
お掃除をしてみてはいかがでしょうか。
心も清められ、六波羅蜜の実践にも
繋がることでしょう。
linderabella.hatenadiary.com

f:id:linderabella:20201227114524j:plainf:id:linderabella:20201227114520j:plain