「ゆきわたりてむぎのびる」と読みます。
降り積もった雪の下で、 秋に種を蒔いた麦の芽が顔を出す頃です。
「越年草」という別名がある「麦」は、
10月から11月頃に撒かれ、寒さにも負けず、霜や雪にも耐えて年を越し、
その後すくすくと育ち、6月頃、麦畑は黄金色に染まり、収穫の時を迎えます。
「麦」は、小麦・大麦・ライ麦・燕麦の総称で、
いずれも中央アジアを中心とした乾燥気候の土地を原産地とするイネ科草本です。
世界で最も多く栽培されている穀物であり、「コメ」、「トウモロコシ」と並ぶ、「世界三大穀物」の一つです。
「麦踏み」(むぎふみ)は、
秋に撒いた後、およそ1ヵ月後に麦が発芽した後に足で踏みつける作業です。
関東では、11月の下旬の頃です。
天気予報で霜注意報(0℃付近まで気温が下がる)が出るような地域では、
その前に「麦踏み」をします。
「麦踏み」は土が乾いた状態で、
「蟹の横歩き」のように麦の上全体を踏んで歩きます。
繰り返し、何度踏んでも構いません。
ペチャンコになっても心配いりません。
麦の茎は4~5日もすれば立ち上がってきます。
麦の芽を踏圧することにより、徒長を防ぎ、耐寒性を増す効果があるとそうです。
この後、1か月後の12月下旬、年が明けて1月中~下旬、2月中~下旬の計4回位、「麦踏み」を行います。
「麦踏み」の効果
- 麦の倒伏を防ぐ。
- 「分けつ」がよく出る。1粒から多ければ数十本の分けつ茎が出る。
- 主稈が伸びすぎるのを防ぐ。
- 根の張りが良くなる。
- 霜柱が立つ地方では凍み上がりで枯死するのを防ぐ。
「麦踏み」をしなくても育ちますが、
「麦踏み」をすることで、より多くの実が採れるようになります。
現在は、タイヤローラーを用いて行うことが多いそうです。