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コツコツと

七十二候「雪下出麦」

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「ゆきわたりてむぎのびる」
と読みます。
 
降り積もった雪の下で、
秋に種を蒔いた麦の芽が顔を出す頃です。
 
「麦」は、小麦・大麦・ライ麦・燕麦の総称で、
いずれも中央アジアを中心とした
乾燥気候の土地を原産地とする
イネ科草本です。
世界で最も多く栽培されている穀物であり、
「コメ」、「トウモロコシ」と並ぶ、
「世界三大穀物」の一つです。
 
秋に発芽して冬を越し、
次の年になって実を結ぶ植物を
「越年草」(えつねんそう)と言い、
アブラナ、エンドウ、ヒメジョオン、
ハハコグサなどがありますが、
その代表は「麦」です。
そのため麦は別名「年越草」とも言います。
年が改まっても、それまでの何もかもが
終わってしまう訳ではありません。
次の年へ持ち越していくのです。
 
「麦」は10月から11月頃に撒かれ、
寒さにも負けず、霜や雪にも耐えて年を越し、
その後すくすくと育ち、
6月頃、麦畑は黄金色に染まり、
収穫の時を迎えます。
 
「麦踏み」(むぎふみ)は、
秋に撒いた後、
およそ1ヵ月後に麦が発芽した後に
足で踏みつける作業です。
関東では、11月の下旬の頃になります。
天気予報で「霜注意報」出るような地域では、
その前に「麦踏み」をします。
霜注意報:0℃付近まで気温が下がると出される
 
「麦踏み」は土が乾いた状態で、
「蟹の横歩き」のように
麦の上全体を踏んで歩きます。
繰り返し、何度踏んでも構いません。
ペチャンコになっても心配いりません。
麦の茎は4~5日もすれば立ち上がってきます。
麦の芽を踏圧することにより、徒長を防ぎ、
耐寒性を増す効果があるとそうです。
 
この後、1か月後の12月下旬、
年が明けて1月中~下旬、
2月中~下旬の計4回ぐらい、
「麦踏み」を行います。
 
「麦踏み」の効果
1.麦の倒伏を防ぐ。
2.「分蘖」(ぶんけつ)がよく出る。
  1粒から多ければ数十本の分蘖茎が出る。
3.主稈が伸び過ぎるのを防ぐ。
4.根の張りが良くなる。
5.霜柱が立つ地方では凍み上がりで
  枯死するのを防ぐ。
 
 
「麦踏み」をしなくても育ちますが、
「麦踏み」をすることで、
より多くの実が採れるようになります。
現在は、タイヤローラーを用いて行うことが
多いそうです。
 

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