「せりすなわちさかう」
と読みます。
芹が盛んに茂る頃となりました。
冷たい水辺で育つ芹は、
空気が澄み切るように冷えるこの時期に、
“競り合う”ように良く育ち、
1月から4月にかけて旬を迎えます。
「春の七草」の一つとしてもお馴染みの
「芹」は、昔から栽培も行われてきましたが、
日本全国の沢や河川の水際などの
水分の多い土壌に自生している姿が見られます。
水田稲を刈った後や畔などにも
沢山生えていたりします。
(現在は養液栽培された物が通年出回っています)
栽培物はパッと見はミツバと似ていますが、
ミツバが葉が3枚なのに対し、
セリの葉は5枚なので区別しやすいです。
セリの名前の由来は、その生態から
1箇所から競り合って生えていることから、
「セリ」と名がついたとされています。
香りが強く、シャキシャキとした歯応えが
特徴的な日本原産の野菜「芹」(せり)は、
古く奈良時代には既に食用としていたという
記録が『古事記』『万葉集』に
残されています。
セリをよく食べる地域では
「根っこが一番美味しい」というのは常識で、
秋田の「きりたんぽ鍋」や
宮城の郷土料理「せり鍋」にも
セリの根が入っています。
なお「春の七草」に入れる「芹」を
「根白草」(ねじろぐさ)と言います。
白くて長い根の特徴がそのまま名前となって
います。