うまずたゆまず

コツコツと

七十二候「蚯蚓出」

「みみずいずる」
 と読みます。
 冬眠していたミミズが地上に現れ始める頃
 となりました。
 

 
 
ミミズには目がありません。
そのため「目見えず」が転じて、
「ミミズ」になったと言われています。
「目」と呼ばれるものはありませんが、
皮膚に沢山の光を感じる細胞
(光感覚細胞)を持っていて、
明るさの僅かな変化を上手く捉えて、
暗がりに進む性質をもっています。
 
春に孵化したミミズは、
夏になると本格的な活動期を迎えます。
ミミズは暗い地中で泥を黙々と食べて
腸で消化し、それを糞として出します。
かの有名な生物学者の
ダーウィンの研究によると、
5万匹のミミズが1年間に排泄する糞の総量は
なんと18tもあったのだとか。
 

 
ミミズの腸内には
無数の優れた腸内細菌が棲んでおり、
そのお腹を通ることで、土壌の様々な物質を
劇的に有益なものに変えてくれています。
 
ミミズの糞にはチッソも炭素が多く、
作物に吸収されやすい形のカルシウムや
マグネシウム、カリ、リン酸が豊富で、
アミノ酸の種類や含量も多く、
様々な酵素や植物ホルモンが含まれています。
 

 
またミミズ自身が動き回ることによって、
土中にはしっかり酸素が行き渡る他、
通気性や透水性ももたらされます。
鍬を入れなくても、ふかふかの土を作って
くれるミミズの効果は絶大なのです。  
 
ミミズを煎じた生薬もあり、
その腸内細菌の力は
東洋医学の世界でも認められています。
「蚯蚓」を干した生薬を
「地竜」(じりゅう)と言って、
昔から、風邪や熱冷ましなどに
「民間薬」として用いられてきました。

また、育毛効果や尿路結石にも効果があると
言われています。
 

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