うまずたゆまず

コツコツと

二十四節気「啓蟄」

 
今日から二十四節気の3番目「啓蟄」。
前節の「雨水」以来、春の雨の潤いにより、
植物は芽吹きの季節を迎えてますが、
太陽の高度も上がり、大地が温まり出して、
虫や小動物も目覚めの時季を迎えます。
 
 

『暦便覧』
(こよみびんらん)

今から234年前の天明7(1787)年に
太 玄斎(たい げんさい)が著した暦の解説書
『暦便覧』には、「啓蟄」については、
「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、
 穴をひらき出ればなり」と記されています。
 
冬眠をしていた虫が
冬の間、土の中に眠っていた虫達が、
穴から出てくる頃という意味です。
 

啓蟄(けいちつ)

 
「啓」の字には「開く」という意味があり、
「蟄」の字には
「虫などが土などに隠れている様子」という
意味があります。
つまり、土に隠れていた虫が外に出てくる、
それほどまで暖かくなってきたという意味です。
 
雛納(ひなおさめ)

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また、雛人形をしまうのは
「啓蟄」までという言い伝えもあります。
長く雛人形を飾りすぎると、
婚期が遅れるということからです。
雨水には雛人形を出すのは「雨水」。
しまうのは「啓蟄」までです!
 

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菰はずし
 
「菰(こも)はずし」を「啓蟄」の
恒例行事にしているところが多いようです。
冬囲いで使用した菰を外して焼きます。
 
「菰」(こも)とは、
藁で編んだ敷物のようなもので、
冬になる前に木の幹に巻きつけ、
害虫退治のために利用されるものです。
(こも)を巻くと、暖かい場所を好む
松の害虫は菰に集まってきます。
徐々に暖かさが感じられるようになる
「啓蟄」の時期に菰(こも)を外して燃やすことで、害虫退治が出来ます。
 
野遊び(のあそび)
草木の息吹が聞こえ始める春、
野山に出かけて飲食に興じたり
摘み草をしたりして楽しむことを
「野遊び」(のあそび)と言います。
 
 
山野に遊びに行くことは「山遊び」、
海辺に出掛けることは「磯遊び」と言いました。
 
元来は本格的な農事に先駆けて
積極的に山野に籠って
田の神祭の資格を身につけようとするもので
あったとされています。
 

お水取り

 
「お水取り(お松明)」とは、
東大寺二月堂で3月12日に営まれる、
奈良に春の訪れを告げる行事です。
12日の夜、本尊に供えるお香水(こうずい)
汲み上げる行事があることから、
「お水取り」の名があります。
旧暦時代は二月に行われたので
「修二会」(しゅにえ)とも言います。
 

春日御田植祭
(かすがのおたうえまつり)

 
奈良の春日大社では、3月15日に
五穀豊穣を祈って御田植神事(おたうえしんじ)
行われます。
五殻豊穣を祈る祭典の後、御本社の林檎の庭、
榎本神社階下、若宮前の3か所にて、
田主(たぬし)と牛男の所作事が行われ、
神楽男の奏する御田植歌に合わせて
八乙女が御田植舞(たうえまい)を奉納します。
 
平安末期の長寛元(1163)年より続く神事で、
古来1月8日以後の最初の申の日が式日でしたが、
明治5(1872)年から現在の日、
3月15日に行われるようになりました。
 
なお、八乙女の手によって蒔かれた稲種は、
春日大社の末社
「夫婦大国社」(めおとだいこくしゃ)において、
開運金運を招くお守り
「福の種子」(ふくのたね)として授与されています。
 
 
禍福は糾える縄の如しかふくはあざなえるなわのごとし
災いが福になり、福が災いの元になったりして、この世の幸不幸は縄を撚り合わせたように
表裏をなすものであるの意。
 

春の社日

 
季節を感じる「雑節」のひとつで、
産まれた土地の守護神「産土神」(うぶすながみ)
お祀りする日です。
令和6(2024年)は「春分の日」が3月20日なので、
この日に最も近い「戊の日」である
「春の社日」は3月15日(金)になります。
 
 

七十二侯

初侯「蟄虫啓戸」
(すごもりのむしとをひらく)
冬の間、冬眠していた虫達が、
土から顔を出す目覚めの季節です。
虫にはカエルや蛇といった動物も
含まれています。
 

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次侯「桃始笑」
(ももはじめてさく)
花が咲くことを「笑う」と表現しています。
桃の蕾がほころんで、咲き始める季節です。
菜の花やたんぽぽなど、道端で春らしい野花を見かけるようになります。
 

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末侯「菜虫化蝶」
(なむしちょうとなる)
まもなく「春分」となるこの季節は、
菜花につく青虫が蝶となって
畑や公園を飛び交います。
虫達が起きて花が咲き、蝶が舞い始めたら、
いよいよ本格的な春がやってきます。
 

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