『暦便覧』
(こよみびんらん)
今から234年前の天明7(1787)年に
太 玄斎(たい げんさい)が著した
暦の解説書『暦便覧』には、
「清明」(せいめい)は
「万物発して清浄明潔なれば、
此芽は何の草としれる也」とあります。
晴れ渡った空には、
当に「清浄明潔 」という語に相応しい。
地上に目を移せば、
百花が咲き競う季節であるいう意味です。
「清明」(せいめい)とは
二十四節気の第5節目で、
清らかで明るく、生き生きとした様子を意味する
「清浄明潔」(しょうじょうめいけつ)という
語を略したものです。
清明風
この頃になると、冷たい北風から、
東南から心地良い「清明風」が吹いて、
本格的な春の訪れを知らせます。
この風に吹かれて桜が咲き、
南の国からは燕が到来します。
野遊び(のあそび)
晴れの日は暖かくて湿度も低く、
とても過ごしやすくなりますので、
色とりどりの花を眺めながら、
散策を楽しむのもいいかもしれませんね♪
山野に出て食事をしたり遊んだりして
終日過ごすことを「野遊び」(のあそび)と
言います。
発展したものとも言われます。
花祭(はなまつり)
4月8日は、お釈迦様の誕生日です。
「灌仏会」「仏生会」とも言います。
草花で飾った「花御堂」(はなみどう)の中、
「甘茶」を入れた水盤の上に
「誕生仏像」を祀り、
柄杓で「甘茶」をかけて祝います。
参拝客にも「甘茶」は振る舞われます。
十三詣(じゅうさんまいり)
「十三詣」(じゅうさんまいり)とは、
数え年で13歳になる男女が
旧暦3月13日(現在は4月13日)に、
虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を参拝する
通過儀礼です。
無事に13歳まで成長出来たことを感謝し、
これからの更なる成長を祈る
大切な伝統行事です。
春の土用
春の土用は「立夏(5月5日頃)」の前の約18日間です。令和6(2024)年の「春の土用」は、
4月16日[火]~5月4日[土]です。
「土用」の期間は、
「季節の変わり目」ということもあり、
健康管理に気をつけたい時期でもあります。
「春の土用」は、「五月病」や「気力減退」に
特に気を付けて下さい。
なお「春の土用」は
「戌の日」の「いぬ」に因んで、
「い」のつく食べ物や「白い食べ物」が良いと
言われています。
二十四節気「清明」の七十二候
初候「玄鳥至」
(つばめきたる)
燕が南の国から渡ってくる頃です。
燕は渡り鳥で、春の到来を告げます。
人家の軒下などに巣をかけ、
害虫を食べることから、
益鳥として親しまれてきました。
次候「鴻雁北」
(こうがんかえる)
雁が隊を連ねて、
北の国へと帰って行く頃です。
燕がやって来て、雁は帰り、
空の主役が交代する、そんな季節です。
末候「虹始見」
(にじはじめてあらわる)
冬には見かけなかった虹が現われ始める頃と
なりました。
春の深まりとともに空気が潤い、
雨上がりに綺麗な虹が見られるように
なります。