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風祭(かざまつり)

 
台風や強風などの風害から
田畑の農作物を守るために、
風を鎮める祈りを込めて
「風祭」(かざまつり)が各地で行われます。
 
強風の時期は土地毎に異なるので、
祭りの日も様々ですが、
お盆から冬にかけてが多いようです。
 
立春から数えて「二百十日」の9月1日頃は、
強風の吹く厄日とされており、
この時期に風祭が行われる地域も見られます。
 

二百十日

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二百十日」は台風が来襲する厄日と
言われています。
ちょうど稲の開花時期に当たり、
収穫を間近にした大切な頃です。
八朔」「二百二十日」とともに、
「三大厄日」とされています。
 

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野分

台風のことを、古くは「野分」(のわけ)
呼んでいました。
野を吹き分ける力強い風という意味です。
『源氏物語』や『枕草子』にも登場します。
ザワザワと野分めいた風が吹くことを、
「野分だつ」と言い、
強風に吹かれ飛び、野分をもたらす雲立ちを「野分雲」(のわきぐも)と言います。
強風が去って晴れ上がった空は、
「野分晴」(のわきばれ)と言います。
 

風の盆

 
毎年9月1日から3日、
二百十日」の初秋の風が吹く頃、
富山の八尾町で「おわら風の盆」は
幕開けを迎えます。
 
おわら風の盆」とは、
「お盆」と「風祭」が合わさった行事です。
「おわら」とは、江戸時代文化年間頃、
芸達者な人々が七五調の唄を新作し、唄の中に「おわらひ(大笑い)」という言葉を差し挟んで
町内を練り廻ったのがいつしか
「おわら」と唄うようになったという説、
豊年万作を祈念した「おおわら(大藁)」説、
小原村の娘が唄い始めたからと言う
「小原村説」などがあります。
 

 

マエナヌカ

二百十日の前7日間を「前七日」と言って、
特に風害に気を付ける時期とされますが、
地域により風水害を避けるための行事が
ありました。
 
山口では「マエナヌカ」と言って、
この時期に、子供が山の上に上り
火を焚く行事があったそうです。
 
長野の伊那では、
8月20日頃には害虫を追い払うための行事
「虫送り」を行うのと同様に、
「風送り」の行事も行ったとか。
大きな袋と竿の先につけて、
御神木の先に縛り付けます。
 

二百二十日

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旧暦8月1日の「八朔(はっさく)
二百十日」、「二百二十日」を
「農家の三大厄日」としています。
現在のように台風の予測が出来なかった時代、
人々はこの日を恐れて警戒し、
風を鎮める祭りを行って収穫の無事を祈りました。
 

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