「処暑」(しょしょ) は、暑さが止むと言う意味。
萩の花が咲き、
朝夕は心地良い涼風が吹く頃ですが、
台風のシーズンでもあります。
『暦便覧』
今から234年前の天明7(1787)年に
太 玄斎(たい げんさい)が著した暦の解説書
『暦便覧』(こよみびんらん) には、
「陽気とどまりて、
初めて退きやまんとすれば也」
初めて退きやまんとすれば也」
このように記されています。
「暑さが静まってくる頃」という意味です。
「処暑」(しょしょ)とは
暑さが処する、と書いて処暑。
「処」には、「止まる」という意味があり、
厳しい暑さも一段落し、
朝夕は涼風が吹き始め、
山間部では早朝に白い露が降り始め、
秋の気配を感じられるようになります。
令和6(2024)年は
8月22日から9月6日になります。
夏の疲れ
「処暑」に入ると、日中は暑くても
朝夕は涼しくという日が増えてきます。
すると、だるい、疲れやすい、頭痛、肩こり、
食欲不振、胃もたれ、不眠、立ちくらみなど、
夏の疲れが出てきて来ます。
食中毒に罹り易い時期ですので、
注意が必要です。
初嵐(はつあらし)
本格的な台風期に入る前に始めて吹く強い風を
「初嵐」(はつあらし) と言います。
「処暑」のこの時期は、
激しい夕立が降ることがよくあります。
急な雨にも対処出来るように、
折りたたみの傘などを携帯したり、
防災備品や非常食を見直しておくことを
おススメします。
地蔵盆(じぞうぼん)
お盆の期間に近畿地方を中心に行われている、
道祖神信仰と結びついた行事です。
子供の守り神とされる
「地蔵菩薩」をお祀りすることで、
子供の幸せや健康を願う年中行事の一つです。
六地蔵めぐり
京都では、毎年8月22日・23日の両日に、
京都の旧街道口に安置された
6体の地蔵尊を巡拝する「六地蔵めぐり」が
行われています。
化野念仏寺千灯供養
(あだしのねんぶつじせんとうくよう)
古くより鳥辺野などと並ぶ葬送の地・
化野 (あだしの) にある化野念仏寺では、
例年8月の最終土曜日・日曜日に、
西院の河原に祀られている数千体の無縁仏に
ろうそくを灯し、供養する宗教行事の
「千灯供養」(せんとうくよう) が行われています。
令和6(2024)年8月24日 [土]・25日 [日] です。
小野篁と地蔵信仰
遣隋使・小野妹子の子孫で
平安時代前期の政治家・学者・歌人
小野篁(おののたかむら)は、
奔放な性格から野狂 (やきょう) と称され、
後に冥土へ往来したとか、
地獄の閻魔王の庁の役人である
「冥官」になったといった類の逸話が
多く残っています。
火山防災の日
平成26(2014)年9月27日の
御嶽山噴火の教訓などを踏まえ、
国民の間に広く活動火山対策についての
関心と理解を深めるため、
8月26日が「火山防災の日」に制定されました。
防災の日
9月1日は「防災の日」です。
大正12(1923)年この日は
「関東大震災」が発生した日であるとともに、
暦の上では雑節「二百十日」に当たり、
台風シーズンを迎える時期でもあることから、
地震や風水害等に対する心構え等を育成のため
昭和35(1960)年の閣議で、
「防災の日」が創設されました。
雑節「二百十日」
更に昔から「処暑」の頃は、
台風が来やすい時期とされていました。
雑節の「二百十日」は「台風特異日」とも
称されるようです。
令和6年は8月31日になります。
八朔
「八朔」とは旧暦の8月1日のことで、
令和6(2024)年は9月3日の火曜日になります。
この日には、本格的な収穫を前に
「豊作祈願」のための行事が行われたり、
昔から強い風の吹く日だったようで、
「二百十日」「二百二十日」 と合わせて
「農家の三大厄日」と言われ、
風の難を受けないように祈願する祭りが
行われています。
風の盆
越中八尾(富山県富山市)では、
毎年9月1日から3日にかけて
風を鎮めるための「風祭」が行われています。
「おわら節」を歌い、踊り明かします。
三味線、胡弓、笛太鼓の哀愁を帯びた囃子に、
菅笠を被って辻々を流す踊りは、
しみじみとした情緒があります。
二十四節気「処暑」の七十二候
初候「綿柎開」
(わたのはなしべひらく)
綿を包む「柎」(はなしべ)が開き始める頃
次候「天地始粛」
(てんちはじめてさむし)
天地の暑さがようやく鎮まり始める頃
末候「禾乃登」
(こくものすなわちみのる)
稲などの穀物が実り始める頃