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施餓鬼(せがき)

 
「施餓鬼」(せがき)とは、
「お盆」の時期に、先祖供養とともに
行われることの多い仏教行事のひとつです。
 
 

「施餓鬼」(せがき)とは

 
「施餓鬼」は、「施餓鬼会」 (せがきえ) の略称で、
先祖供養を兼ねて行われている仏教行事です。
「施餓鬼」の「餓鬼」(がき)とは、
供養をされずこの世を彷徨っている無縁仏や
生前の欲深さの為に
死後に「餓鬼道」(がきどう) に堕ちた
霊や魂のことを言い、
この「餓鬼」(がき) 達は、常に、飢えと渇きに
苦しめられると言われています。
 
「施餓鬼」とは、「施餓鬼供養」として
「餓鬼」達にも
水や食べ物などの施しを与えることで、
災いをもたらす「餓鬼」を鎮めて
自らの徳も積めると考えられています。
 
曹洞宗などの「禅宗」では、
施す側と施される側に
貴賎の差はないという考えがあるため、
「施餓鬼法要」は「施食会」(せじきえ)
呼ばれます。
 
なお「浄土真宗」では、
死者の魂は、死後、仏の御力により成仏し、
極楽浄土に行けると考えられており、
「餓鬼」自体が教えには存在しないため、
「施餓鬼法要」も行いません。
 
水の子
「水の子」は、「餓鬼」へのお供えの一つです。
 
生前に強欲で悪いことをしたため、
死後の世界で飢えと渇きに苦しむことになった
「餓鬼」の喉は、針のように細く、
食べ物を口に入れようとすると
燃えて食べられないと言われています。
 
そこで、餓鬼も食べることが出来て、
「餓鬼」の空腹を満たす
「水の子」という食べ物が
お供えされるようになりました。
 
「水の子」とは、
胡瓜や茄子を賽の目に切って
洗ったお米を混ぜたものを
蓮の葉の上に盛り付けて、
水を張った器に浮かべたものです。
 
「水の子」の作り方
 <材料>
  ・米(1/4カップ程)
  ・胡瓜(1/2本)
  ・茄子(1/2本)
  ・蓮の葉(1枚)
 ※ 野菜は玉蜀黍や南瓜、人参などでもOK
 ※ 蓮の葉の代わりに「里芋の葉」を使用する
   地域もあります。
 
<作り方>
 1. お米を研いで洗っておきます。
 2. 胡瓜と茄子を賽の目にカットしたら、
  それぞれ別のお皿で水にさらし、
  混ぜる前に良く絞ることで
  変色を抑えられます。
 ※ ナスも熱湯にくぐらせた後に冷水にさらすと
   変色しづらいようです。
 

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施餓鬼の由来

「施餓鬼」(せがき)の由来は、
「救抜焔口餓鬼陀羅尼経」(くばつえんくがきだらにきょう)
というお経の中で語られている説話とされて
います。
 
ある日、お釈迦様の弟子の1人である
阿難(アーナンダ)は、瞑想の際に現れた餓鬼に
3日後の死を予告され、
死後は同じ餓鬼になると言われました。
しかしお釈迦様の教えの下、
「陀羅尼」(だらに)というお経を唱えながら
餓鬼に食べ物を施したところ、
餓鬼の空腹は満たされ救われました。
その功徳により阿難の寿命が延びました。
 

施餓鬼の行われる時期

「施餓鬼」を行う時期に厳密な決まりはなく、
また1年に1度だけ行うものでもありません。
多くのお寺では、「お盆」(7月・8月)や
お彼岸」(3月・9月)など他の年中行事と
一緒に「施餓鬼」が行われます。
 
「地獄の窯の蓋が開く=亡者が現世へ降りてくる」とも言われる「お盆」は、
特に、御先祖様だけでなく、
「餓鬼」(がき) も現世にやって来るという考えから
「施餓鬼」(せがき)を実施するのに
適したタイミングだとされています。