納めの金毘羅(金比羅)
12月10日は、「こんぴらさん」の愛称で
親しまれている「金刀比羅神社」の縁日です。
12月10日は、
今年最後のご縁日の日ということで、
「納めの金毘羅(金比羅)」と呼ばれ、
この日に金刀比羅神社にお参りすると、
特にご利益を授かると言われています。
金刀比羅宮(ことひらぐう)
香川県の西部、琴平町に位置する
「金刀比羅宮」(ことひらぐう) は、
全国に600程ある金刀比羅神社 (琴平神社) の
総本宮です。
「金刀比羅宮」は、元々は、
「琴平神社」と呼ばれており、
海の神様「大物主神」(おおものぬしのかみ) を
祀っていました。
「大物主神」には、蛇神の伝説や伝承が
数多く伝わっていることから、
「蛇神 (=龍神)」とも見なされていたようです。
ところで「こんぴら」の語源は、
ガンジス川に住む鰐 (わに) を神格化した
水神の「クンビーラ (kumbhīra) 」と
言われています。
その「クンビーラ」が仏教に取り入れられ、
薬師如来十二神将の筆頭で、水と関係の深い
「宮比羅大将」(くびらたいしょう) となりました。
神仏習合 (しんぶつしゅうごう) により、
「蛇 (龍)」 と 「鰐」 がいずれも水に由来するため、
御祭神の「大物主神」は
「宮毘羅大将」(くびらたいしょう) と同一視され、
琴平神社の社名は
「金毘羅大権現」(こんぴらだいごんげん) と改称。
海上交通の守り神として崇められるようになり、
特に舟乗りから信仰され、
全国各地の大きな港を見下ろす山の上に
金毘羅宮、金毘羅権現社が建てられました。
讃岐国へ流され、この地で崩御された
第75代「崇徳天皇」(すとくてんのう) が
永万元(1165)年、「金毘羅大権現」に合祀され、
「金毘羅大権現」の神威は、
以前にも増して輝き渡りました。
また「金刀比羅宮」が鎮座する
「象頭山」(ぞうずさん) の
象の頭のような特異な山の形から、
瀬戸内海を航行する
瀬戸内海の島々 (塩飽諸島) の船乗り達の
格好の目印となったばかりでなく、
その神秘的な山の形が心の支えとなったため、
塩飽諸島の船乗り達は「こんぴらさん」の
旗を掲げて全国各地を廻りました。
この塩飽の繁栄に比例するように
「こんぴらさん」への信仰も全国に広がり、
江戸時代中頃には全国で
「一生に一度はこんぴらさん」と憧れる
「こんぴら参り」の一大ブームが起こりました。
庶民にとって一生に一度の憧れ
「お伊勢参り」と並び称されたのが、
「丸金か京六か」と言われた
讃岐の金毘羅大権現(金刀比羅宮)と
京都六条の東西本願寺で、
これらの寺社への参拝の旅が
人生の一大イベントとして大変人気が
あったようです。
明治元(1868)年、神道から仏教を排除する
「神仏分離令」が発せられると、
「金毘羅大権現」は元の「琴平神社」に復り、
その後、宮号が与えられたため
「金刀比羅宮」と改称し、現在に至ります。
こんぴらさんの御利益
「金刀比羅宮」の御祭神は、
「大物主神」(おおものぬしのかみ) と
「崇徳天皇」(すとくてんのう) です。
海の神様である「大物主神」には、
航海の安全や豊漁の御利益があり、
漁師などの海で仕事をしている人から、
守り神として崇められてきました。
また五穀豊穣、商売繁昌、病気平癒などにも
御利益のある神様として、
古くから人々の篤い信仰を集めてきました。
一方、「崇徳天皇」には、
悪い縁を切って良縁を結ぶ御利益があると
言われています。
金運上昇のパワースポット
現在は、特に金運上昇のパワースポットとして
多くの参拝者が全国より訪れています。
「名は体を表す」という言葉がある通り、
ありがたい名前の寺社は
それだけ御利益も大きいように感じるため
でしょうか?
また「丸」に「金」の御社紋 (ごしゃもん) 、
通称「マル金(まるこん)」も
金運パワー全開といった感じですね。
金刀比羅宮の「幸福の黄色いお守り」は、
鬱金 (うこん) で染めた絹糸を織り上げられ、
真ん中に「マル金」が刺繍された、
黄色にも金色にも見える肌守りです。
「黄色」は、溢れんばかりの恵みと愛を
もたらしてくれる色、
稲や麦の稔りの色、豊穣の色、
エネルギーに溢れた力強さで
満足を約束してくれる色です。
また鬱金は、昔から薬用として珍重され、
平安時代からは染料としても用いられ、
虫除けや保温の効能もあり、
魔除け、災い除けとして産着などに
使われてきたことから、
病気や災い事から身を守り、
健康と幸せ、恙ない日々の暮らしを
約束してくれる
健康と幸せを祈る鬱金色の肌守りです。