新しい年に焚く薪 (たきぎ) を
年内に伐り出して揃えておくことを
「年木樵」(としぎこり) と言います。
「節木樵」「小柴刈り」「柴節供」など、
地域によって様々な呼び方があります。
かつては新年を抑えるための
重要な準備の一つでしたが、
電気やガスで料理をし、
松や薪もお店で買える今では、
ほとんど無くなってしまった風習です。
なお、薪のことは「年木」(としぎ) と言い、
「年木」を伐り出す山は「年木山」(としぎやま) 、
伐った木を里へ運ぶ舟は「年木舟」(としぎぶね) と
言います。
なお山から刈り出した「年木」は
家裏などに積んで新年を迎えました
(「年木積む」(としぎつむ) )。
「年木」(としぎ) は「薪」の他にも、
神への供え物としても用いられる他、
飾り薪として門松の根元に割れ木を供えたり、
正月15日の「小正月」に使う
「繭玉」(まゆだま) の挿木の他、
「粥杖」(かゆづえ) や鳥追いの「鳥追い棒」など、
お正月の数々の行事でも使われました。
そしてその後は燃料としました。
「粥杖」(かゆづえ)
小正月の小豆粥を煮る時にかき回す棒。
煮る時の燃えさしの木を削って作りました。
これで子のない女性の腰を打つと、
男子が生まれると言われました。
「鳥追い棒」(とりおいぼう)
小正月の鳥追いに子供達が持つ棒のこと。