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コツコツと

「初地蔵」「初愛宕」

 
 
毎月24日は「地蔵菩薩」(じぞうぼさつ)
「愛宕権現」(あたごごんげん)の縁日です。
そして1月24日の一年で最初の縁日は
「初地蔵」「初愛宕」と呼ばれ、
地蔵菩薩を祀る寺院や愛宕神社には
多くの参拝者が訪れます。
 

 
 
「愛宕神社」(あたごじんじゃ)と言えば、
43の都道府県に、900とも1000とも言われるほど
多数祀られている「火防の神様」です。
 

  

 
「愛宕信仰」(あたごしんこう)とは、
京都の愛宕山山頂に鎮座する
「愛宕神社」から発祥した、
「火防の神」に対する神道の信仰です。
修験道の開祖・役小角(えんの おづぬ)と、
加賀の「白山」を開山した泰澄(たいちょう)
山城国の愛宕山に登った際、
この山の大天狗・愛宕太郎坊と出会い、
朝廷から許可を得てこの山の朝日峰に神廟を
建立したのが「愛宕山信仰」の起源とされます。
 

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そして火防(ひぶせ)の神様の「愛宕神」は、
「本地垂迹説」(ほんじすいじゃく)の思想の下、
本地仏は地蔵菩薩の武装形である
「勝軍地蔵」(しょうぐんじぞう)とし、
「愛宕神」は「勝軍地蔵」が変身した姿と
説かれてきました。
そのため1月24日の「初地蔵」は「初愛宕」でも
あるのです。

 

「本地垂迹説」(ほんじすいじゃく)は、
日本では仏と神々は根本的には同じで、
仏・菩薩を「本地」(本来の境地やあり方)とし、「垂迹」は「迹を垂れる」(あとをたれる)と
いう意味で、日本古来の神々は、仏・菩薩が
衆生(生きとし生けるもの)の救済のために、
姿を変えてこの世に現れてくれたもの(垂迹)と
説く「神仏習合」思想です。
奈良時代に始まり、平安時代に発展し、全国各地に僧形八幡像や神宮寺などが作られました。
鎌倉時代には、神を本地とする「反本地垂迹説」も
現れ、明治初期の神仏分離令まで存続しました。
 
 
因みに名前が似ている
秋葉神社(あきばじんじゃ)は、
静岡県浜松市の秋葉山頂に鎮座する
秋葉山本宮秋葉神社を総本宮とし、
全国に400社以上存在する「火難除けの神」です。
東京の秋葉原も、秋葉神社が鎮座していたのでこのような地名になりました。
秋葉神社」の御祭神は、愛宕神社の同じ
「火之迦具土神」(ひのかぐつちのかみ)です。
『古事記』によれば、伊邪那美命(いざなみのみこと)
から生まれた神様で、伊邪那美命はこの神様を
生んだことが原因で亡くなります。
 

 
また『万葉集』にも多くの歌が残されている
三十六歌仙のお一人である柿本人麻呂が
「火伏せの神」として信仰されることも
あります。
ただこれは「かきのもとのひとまろ」が
「火気の元、火止まる」に通じるための
シャレだそうです。
 

日本三大愛宕にほんさんだいあたご

 
日本三大愛宕(にほんさんだいあたご)とは、
全国各地にある愛宕神社のうち
有力な三社を総称したものです。
 
  • 愛宕神社(京都府京都市右京区)
    ※総本社・総本宮で、愛宕信仰の発祥地
  • 愛宕神社(東京都港区)
  • 鷲尾愛宕神社(福岡県福岡市)